| 2002年03月29日(金) |
城山三郎「ちょっと散歩してくるよ」(講談社「本」4月号所収)を読む。 |
城山三郎「ちょっと散歩してくるよ」(講談社「本」4月号所収)を読む。 連載エッセイ「この命、何をあくせく」の33回目。 最近、耳慣れぬ言葉や耳障りのよくない言葉によく出会うという話から始まったので、今回はそういう言葉の話題なのかと思ったら、自身がアイルランドにはまっているという話題にきれいに変わったのはさすがだった。 ジョイスの「ダブリン市民」(新潮文庫)を読み返したのがきっかけで、その次にブレンダ・マドクスの「ノーラ ジェイムズ・ジョイスの妻となった女」(集英社文庫)へ深入りし、さらにコルム・トビーンの「ヒース燃ゆ」(松籟社)へと進んでしまってすっかりアイルランドにはまる状態になったのだそうだ。 現在はかつてよりも人々の生活は少し落ち着いてきているが、大自然の酷薄さだけは変わっていない。そこでこのエッセイの題名の意味が伝えられる。 「天気のいいうちに」ちょっと散歩してくるよというわけなのである。 自然の有りようが日本と全く異なる世界の話をしているのだ。 いままでこの著者の本を読みたいと思ったことはなかった。 毎月、こんな見事なエッセイを読むことになると、どんな作家だったか知りたくなってくる。今まではジャンルが違うと目を向けなかった。 目が向いている方向や興味関心の対象が意外にも一致する事があるので、他の本も読んでみたくなった。
|