| 2002年04月06日(土) |
永井龍男「青梅雨」(新潮文庫「青梅雨」1969/05/15発行2002/06/20改版所収)を読む。 |
永井龍男「青梅雨」(新潮文庫「青梅雨」1969/05/15発行2002/06/20改版所収)を読む。 名作中の名作と言われている短篇小説である。文庫本で20ページ程度の本当に短い作品だった。 事件を告げる新聞記事で始まり、電車で帰宅途中の老人が描写され、さらに帰宅した老人を迎える家族の描写が続く。最後は始めの新聞記事に対応する内容の文章で締めくくられる。 曖昧さを極力排除した点でハードボイルド小説(?)に近い。結末部分に関してだけでももう一度は熟読したくなる点ではミステリー小説にも似ている。 ページ数では短くても気になる場面や文章表現がいくつもあるという不思議な小説である。 多分今はもう訂正されていると思うが240ページの最初の1行目、 「無職太田千三さん(七七)方で、太田と」 のところでひっかかって調べた。つまり、「太田と」は「太田さんと」の間違いではないか。「さん」が抜け落ちていると考えた。 次の本等を読んだ。 中条省平「小説家になる!」(メタローグ1995/05/10)の195ページ。 「新潮日本文学18 永井龍男集」(新潮社1972/6/12)の284ページとその月報48の永井龍男「わが文学の揺籃期 新聞記事」(つまり著者自身が「青梅雨」に言及している文章)の2ページ。 いずれも「太田さんと」だった。 最初読んだ時にそこでしばらく立ち往生したので確かめてみた。しかし、この文庫の定本である講談社の「永井龍男全集」は持っていないので、もしかしたらそちらはそうなっているのかもしれない。
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