読書日記

2003年01月11日(土) 小野不由美『華胥の幽夢』(講談社文庫) 

小野不由美『華胥の幽夢』(講談社文庫 2001年7月15日第1刷発行 648円 342P)
「冬栄」「乗月」「書簡」「華胥」「帰山」の五編からなる短編集。十二国記シリーズの続編が出るまでの渇きを癒すまでには至らない幕間的なエピソード集である。これでは飢えは増すばかりだが、去年は音沙汰なし。
構想が壮大すぎてもう作者の手に負えない怪物的物語と化すばかりで、あとは登場人物たちの自主性に任せるしかないのかもしれない。一種の思想小説ともいえるから納得できる物語を考え出すのは困難であるはず。いつのまにかものすごく重い作品になってしまったような気がする。


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