2003年01月22日(水) |
内田樹『期間限定の思想ー「おじさん」的思考2』(晶文社) |
内田樹『期間限定の思想ー「おじさん」的思考2』(晶文社 2002年11月11日初版 1800円260P) 題名の通り「おじさん的思考」の続編。前作よりもパワーアップして世間が語り難いことをどんどん話題にしてゆく。そして、どんな問題でも快刀乱麻、見事に解きほぐす。目から鱗が落ちるような面白さ。筆者の舞台裏を伝えるおまけの文章もあってお徳用。
「多くの人が考えているのとは反対に、人が奇矯な服装や奇怪な身体操作をする理由は「目立つ」ためではない。「見られない」ためなのである。ヤクザであれ、右翼であれ、パンクであれ、その「異様さ」は「私を見つめてはいけない」を意味する記号なのである。」(「子どもたちはなぜ街で坐るのか 93ページ)
ほかにも「女は何を望んでいるか」「ほんとうの恋がうまくいかない理由」「なぜ教室で私語をしてはいけないか」「マンガしか読まない子をもつ親のマンガ擁護論」「覚悟も責任感も欠落した日本の官僚たち」などなどちょっと刺激的な話題には事欠かない。 フランスの現代思想の専門家の面目躍如の、地に足がつき、なおかつ頭が空の雲を突き抜ける独創的な面白文章空間が現出している。
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