2003年02月02日(日) |
松本賢吾『月の虹(ムーンボー)』(毎日新聞社) |
松本賢吾『月の虹(ムーンボー)』(毎日新聞社1800円 2002年10月15日印刷 10月30日発行 283p) 初めて読む作家。故・安原顯が折に触れて褒め上げている作家でこの作品も傑作と評価していたので読むつもりだったが、その褒め手の死によって早まった。 新宿歌舞伎町を舞台にした、いわば「仁義なき戦い」である。 もっと救いのない結末を恐れたが、最悪のケースでは終わらなかった。アンチ・ヒーロータイプのデカだけでなくそのほかの人物達の造形も見事で完成度が高い。褒める人が褒める人なので勘違いしたが優れた職人の腕前である。 生方利三、長田、辻村、松阪、星川などいい味出している役者が5人以上はいる。
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