読書日記

2003年02月18日(火) 佐伯一麦『一輪』(新潮社400)

佐伯一麦『一輪』(新潮社400円1996年3月1日発行P185解説=磯貝さやか)
「一輪」は100ページ程度。「ポートレート」が65ページ程度。中編2編収録。清楚な風俗嬢と電気工の「おれ」とのすれ違いの純愛もの「一輪」と離婚する風俗嬢「私」の意気地を描く「ポートレート」の二作である。
解説を読むと私小説風らしいが、読んでいる最中には思いもしなかった。「一輪」はラストがしゃれているが、意外なほど特徴のない小説で、題材以外は端正な落ち着いた作品である。
後からじわじわ機になってくるような渋い現代の恋愛小説。結局、これも不思議な感じのする本といことになる。この新潮文庫は絶版らしい。



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