そして、いつからか私に変化が訪れた。 初めて実感した、外的な変化。 否定したかった。 認めたくなかった。 どうしてこんなモノがあるのかと。 気持ちが悪くて。 潰したかった。 隠したかった。 けれど。 何度髪を切っても止まらなくて。 その頃からまた矛盾し始めて。 受け入れるためにまた自分に嘘をついた。 ランドセル、習字道具、安全帽。 目を塞ぎたかった。
腕を傷つけ始めたのは、ちょうどその頃。 外へ発散すべき感情を溜め込んだ。 その時だけ、少しの痛み。 理由もきっかけも、もう忘れた。 気付けば当たり前になっていたから。
力加減も忘れた頃、姉がそれに気付いた。 私とは正反対のようで、とてもよくにている女。 あの頃はそれに気付かなかった。 だって彼女の発する言葉は全て、私を否定するモノだったから。
『気持ち悪い』 それ以外の罵声も浴びたが、ただそれだけが頭に響いた。 気持ち悪い、って、言ったの、あの人は。 実の妹に向かって、得体の知れない嫌悪を感じながら、あの人は。 あの人は。
私の逃げ場はいつも押入だった。 家族の誰もが気付かなかった。 私が家に居るのかどうかさえ、気付いていなかった。 そんな毎日。
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