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2004年04月09日(金)

偶々、帰宅が遅くなって 深夜のエレベーターに乗り合わせ
息せき切って飛び込んだ個室の中で 僕の背中を注視するかのような 女性の息つかい
居合わせた女性が思うように 居合わせた僕も思う
これが広い体育館だったら、どうだろう これが広い運動場だったら、どうだろう これがお見合いの席だったら、どうだろう これが異常者と同じ席だったら、どうだろう とてつもない想像が胸をよぎる
たかが数分にも満たない窮屈な 箱部屋の動きの中で 気まずい時間がゆっくりと秒を刻み
こんなに狭い空間の中で 見知らぬ男女の たった二人だけに残された 空白の時間が 続いてるような錯覚を覚える
まさに映画(死刑台のエレベーター)に 取り残された感じの 奇妙な符号にはっとする
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