う た う ひ と 

2001年06月30日(土) 夜のコビト

泣かないで なんて

けして言わないから

ぱっと泣いちゃおうよ

それで眠っちゃおうよ

時間のコビトたちは

夜の働きもの



2001年06月29日(金) THE WORLD


ありがとう

そして

さよなら

もういちど

はじまるなら

もういちど

あなたと

どこかでひらこう

THE WORLD



2001年06月23日(土) 世界I


夢でもかまわない

終わるときまで

此処に居させて

最後まで見させて

やがて閉じることを

約束された

きれいすぎる 儚過ぎる

ちいさすぎる世界でも



2001年06月22日(金) セカイ��


雫のなかに

 展開されるセカイ

揺れて ゆれて きらめく

 どこかナツカシイセカイ

あなたとわたしがいる

 集約サレタ セカイ



2001年06月19日(火) Weekday


遠く離れるほどに
思い出すのが世の常と
苦く笑うひとりの朝
駅スタンドで押し込む
機械じかけのサンドイッチ



2001年06月09日(土) 祈りのうた

かなしい とか
つらい とか
それより先は
ことばにならない

灼けつくような
痛みのなかで
ひたすらに願う
たったひとつ

かの岸が花に満ち
ひかりに満ちていますように
かのひとがせめても
安らかにいますように

だれを いま
憎み 怒り
なにが いま
この手にできるのか

わからないことに
苛立っても
忘れてはいけない
この日のことだけは

かの岸が優しく甘い
かおりに満ちていますように
かのひとがせめても
微笑んでいますように

もう二度とこの記憶が
なぞられませんように
かの岸のかのひとと
ゆびきりできますように



2001年06月08日(金) None


なんにもない
なんにもない
だれにも会わない 一日

なんでもない
なんでもない
一言に傷ついてた日々

さよならは
まだ言えそうにないけど
しばらくは

なんでもない
なんにもない
一日がきれいすぎて

誰でもない
誰にも似ない
自分がここにいて

春はかなり
近くにあると
思う自分がいて

なんにもない
なんにもない
時間が 過ぎてゆく



2001年06月07日(木) 風のなかで


昼と夜のあいだに
朝と夜のあいだに
風が吹く

季節のあいだに
ひとのこころのなかに
ひととひとのあいだに
風が吹く

僕は立ち尽くし
風に吹かれている
揺られている
このささやかな魂

凪のない海辺に
僕は生きている
これからも



2001年06月06日(水) Dear Friend


いくつもの手紙交わしたね
いくつもの涙拭ってくれたね
ありがとう あなたが
居てくれてよかった
ただあなたがここに居てくれて
本当によかった

あなたと出逢い過ごした
あの街を出て遠く
東京の人込みかきわけて
わたしは生きているよ

でもね あなたと過ごした
あの時間 あの手紙
大事にしまってあるんだ
いつまでも古びない思い出

そして あなたは
あの頃手紙のなか
一生懸命にそしてあなたらしく
あたたかな恋をしてたね

ふふふ

ねえ 今日のあなたの笑顔は
あの日から続いていたのかな
きらきらひかる 幸せをふりまいて
泣きたいくらいきれいだよ

少しさみしいよ なんて
言ったら笑われるかな
でも友情は男の専売特許じゃないよね
これからも よろしくね

おめでとう
あなたの幸せに
あの頃の制服の少女たちが
みんな 幸せ分けてもらった
だから幸せになるね

あなたは 今までも
これからもずっと
大切なたいせつなひと



2001年06月05日(火) ワイングラス


ごめんね あのワイングラス
割ってしまったの
ふたりで暮らし始めたとき
あなたが持ってきた
あのひとからの贈り物
趣味のいい素敵なペアグラス

もしかしたら
わざとだったかもしれない



2001年06月04日(月) たからくじ


はじめて買ってみた
100円だけ当たった

わたしのくじ運は
あなたで
使い果たしてしまったかな
それならそれもいいかな




2001年06月03日(日) 春の香


アパートの入り口に
なにともなく咲いていた
その名を誰も知らない

けれど

こころに雲がかかり
泣き出しそうな夜にも
やわらかく甘いその香に
そっと抱きしめられて

きょうも部屋を出る
満員電車に揺られ

月が傾く頃
ひとり家路に着けば
花はまだそこにある
なにともなく



2001年06月02日(土) 水の行方


「君をうけとめる器が無い」
一行きりのメールに
あなたの疲れた肩が見える

愛とか恋よりも
いまは重いなにかに
脚をひきずるあなたの背中に
そっと手を添えて

離れることが想いの証なら
遠くからどうか
見守ること 許して

そばに居ることを
望んでくれるなら
あなたの荷物をその手から外して
あなたの痛みをわたしのなかに
どうか注ぎ込んで

器があるとか無いじゃなくて
わたしがあなたをあいしてるということ
これは揺ぎ無い事実なの
自分さえも 否定できない

だからもしもあなたが
ひとときの安らぎだけを
欲しているなら それでもかまわない
ここにわたしはいるよ ねえ

あなただけが強くなる理由はなくて
闘っているあなただからよけいつらくて
そんなこともきっとあるよね だから
わたしもっと毅然としてたいの

もしも器が溢れそうで
あなたがつらいなら
わたしは想いを溜める
おおきなダムになるね

そうしてふたりでこころを潤す
大切な水をそそぎあって
いつかなにかを育ててゆける
やわらかな土になりたい

水はここにいつもあるよ
あなたのためにここにあるよ



2001年06月01日(金) Sweater


さよならを告げたとき
「俺の荷物は 全部捨てていいよ」
つぶやくように貴方が言った
泣きながら私 そのとおりにした

好きなのに 好きだけど
好きだけじゃ上手くいかない
一緒に暮らすつもりで借りた
2DKひとりじゃ広すぎる

そして時間は流れて
あの頃友だちだった彼から聞いたよ
「あいつ今彼女がいるよ」

よかった 幸せなんだね
あのときふたり流した涙
一年経ってあなたのもとに
花が咲いた

嬉しいと思うその半面で
なんだか胸が痛い
ひとりぼっちの自分がいる
わがまますぎるって知ってる

捨てきれなかったたったひとつ
あなたの茶色のセーター
だぶだぶでワンピースみたい
素肌に着てみた まだあなたの
においがした 
すこし泣いた

誰が反対しても
あなたと一緒に暮らしたかった
あの季節を通って
あたらしい春が来る

そろそろ歩き出さなくちゃ
そっとセーターを脱いだ
丁寧に たたんだ

最後の キスをした
茶色のセーター


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あかり [MAIL]

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