家を出たのは、11時前だった。
環七に入り、すぐに給油、
顔をしかめて明細を眺めていて気付いたけど
夏を迎えて燃費は結構よくなっている。
道路は・・・混んでもなく、空いてもいない。
246、環八を経由して、第三京浜に出る。
第三京浜、用賀入り口は螺旋を巻いて本道に出る。
気持ちの滓が解き放たれる瞬間で、
ままよとアクセルはフルスロットル。
気を失いそうになるくらいの疾走は
何も考えなくてもよい。というのとは別問題で
最高速では140キロを記録した。
とはいえ、疵のある人ならば、
その疵、きっとその間ばかりは倦んではこないだろう。
何台車を抜いたか分からない。
でも保土ヶ谷サービスエリアまではあっという間についてしまう。
ここで少し休むのもいつものこと。
デュカティ、ハーレー、トライアンフ。 といった、普段はあまり見ることの出来ないバイクを見ることも出来る
ここでは僕のバイクのほうこそ目障りなのだ。
少し静かな気分で、横浜新道に入った。
藤沢あたりで、すこし勘付いてくるのだけれど、
藤沢を越えればそれは確信に変わる。
ここでは太陽の光の具合がまるで違うのだ。
カミュの異邦人に出てくる太陽みたいなのだ。
僕は専ら、幸せな気分に浸されるけれど。
でもそれは、原宿交差点を直進した場合のこと
今回は江ノ島ではなく、鎌倉。
それでも、そこから鎌倉まで、
三十分は掛からなかった。
大船観音を右手に見て
川沿いの道を、
それから萎びた商店街、
北鎌倉は休日の賑わいで
茶房は何処も満席だった。
一時過ぎ、鶴岡八幡宮の裏手から、若宮大通りに出た。
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