■6月28日
夜空に響くエンジン音、闇を切り裂く鋭い号令。そうです、消防団の操法の練習を見に行ったのです。消防団ってなに?操法ってなに?という声が聞こえてきそうですがかまわず続けます。自分も数年前まで10年以上籍を置いた中央四部は今年も市の大会で優勝、いよいよ次は広域エリアの大会というわけで後輩達は練習に余念がないのでありました。
こうしていちOBとして練習を見ていると現役団員時代の10年間の思い出がいろいろとよみがえってきます。いろいろな火災現場にも行きました。燃えた梁が頭に落ちてきたこともありました。放火犯と疑われ刑事に張り込まれたこともありました。消防団庫でパエリアを作って乾杯したこともありました。歳末警戒でいきなり火災を発見して慌てたこともありました。
でもそのなかでも一番強く脳裏に焼き付いているのは私が消防車を運転しての火災出動の時のこと、「火事だー!それー!」という感じでみんなで消防車に飛び乗り、サイレンをならしつつ現場へ向けて出動です。たしか、本番の出動の時に運転したのはこのときが初めてだったはずです。 行く手の見通しの良い交差点、他の車は全く来ないようなのでそのまま右折。あっと思ったら車のケツが流れだし、おもわず交差点内でカウンターステア!揺り返しにまたカウンター!後部座席は「うぎゃー」という叫びとともにヘルメットと人と長靴と手袋とぞうきんがごちゃごちゃに混ざっていました。
我が団の消防車は本署と同じ1.5トンの水槽に水を常時積んだ消防団の車としては最大の4トン車、私の当時の愛車はといえばHONDAのCITYターボ、急ぐあまり、CITYの感覚で交差点を曲がってしまったのでした。 あのときはまじで死ぬかと思いました。乗ってたみんなも死ぬかと思ったそうです。
もちろんそれを最後にだれひとり私に消防車の運転をさせる者はいませんでした。 でも、サイレンを鳴らして消防車をぶっ飛ばす快感って、忘れられませんねー。う〜ん、最高!
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