日記癖・全 DiaryINDEX|past|will
コンパクトディスクはアナログレコードの大半を駆逐した 会社でCD搭載フェアメイト社製のはりぼてコンポを材料にして同僚のM元君に調整要綱を教えてもらう 人間の感覚の向こう側 意識の裏側 五感の遥か彼方で事が起こっている テクノロジーの発達は人間の生活を変える 人間の生活を幸福なものにするかどうかは置くとして 人間の生活が変わるとその歴史も当然変わる アナログディスク化しつつある世界に生きてる
見ている方聞いている方が恥ずかしくなる事柄や話の数 羞恥心の無さだけを武器に世渡りする人間の数 日本という世の中の甘さ加減 無知蒙昧は棚上げしてた小賢しいだけの人間たち この国の「日本語」という名の言語と桜の咲く春は愛しているけれども この国の人々やこの国を愛してはいない 国歌も教育勅語もいらない 日本語と桜の木さえ生きていればいい 経済的繁栄はこの国の人々が間抜けになった事の代償だろう
リクルート事件関係者続々逮捕起訴 「富の有効な使い方をする人間に富が与える有償の賜物を提示している」祝祭悲劇 和製シャイロックは他人事ではなく この日本という国の形をした運命共同体の「機構そのものが」「次々と生み出してくる」人間たちの有り方なのだろう シャイロック最後の台詞「どうかもう引きとらせてください、なんだか/気分が悪くなってきたので。証書を送ってくだされば/あとで署名します。」拍手を
雨 汎帯酸性の雨あるいは滋養強壮放射能満載の雨かもしれない 今日の引用によれば『森の生活』をソーローは三十歳頃から書き始めたのかな 大人の愚かさにノンを言いたがる年頃 昨日から春の高校野球開幕 甲子園を目指す「健康で一途な高校生球児」型のフレーズはもう止めていただきたい イメージに忠実な奴らがシステムのイメージをより強固にしていく 田原の生きている間に高校野球が甲子園を去る日が来るだろうか
自転車乗り八幡まで 前夜山嬢と例の長電話で体調不調の目覚めではあったが 帰り道走りながら「夜の数」頭の中で打つ 自転車道の土手に近所のスーパーの袋を持った人多数 土筆かなにか食用の野草を摘んでいるらしい 誰も来年の作況を顧慮しないらしく乱獲気味 平和な家族連れを多くみかけた日曜日 試練の経験というものを感じさせない人々の顔つきにそこはかとなく時代の不安というものを感じる田原ではありました
大相撲は千代ノ富士二十七回目の優勝 が彼は張り切りすぎて若い頃頻繁にやっていた左肩を脱臼した模様 かわいそうなのは旭富士で明日千代に勝てば横綱の可能性もあったが怪我人相手じゃ評価されないだろうしましてや休場でもされた日には このところ大きなニュースがなく新聞の一面も各紙によっててんでばらばら 嵐の前の静けさという気がしないでもない 昭和に改元の時は改元三ヵ月後に金融恐慌が待っていたらしいが
大相撲昨日今日と大乃国・北勝海が連敗 千代ノ富士全勝で二差つけ優勝に近い 明日大・千代戦楽しみ 京都に桜開花宣言 大阪は東京にも京都にも置いてかれた 山嬢に手紙を出そうと切手を買うが四月から消費税がかかるのに十枚も買いこんで後悔する 本当に今年は替わり目の年だ 当然のことながらシステムに依存する度合いが強い人間ほどおろおろしてる 田原は依存するどころかその外にいるので怖くない 傍観するだけ
これをこのまま山嬢への手紙に流用しようと思う 緊張する 「愛してる」と言っても信用されないし「かわいい」と言うと馬鹿にしていると怒る くやしい 一昨日はラーメンを作って美味しかった 基本的一般的な食べ物がおいしく食べられると生きていて良かったと思える 昨日はNHKFMでCCRの特集 ロックが職業ではなく遊びだった時代の音楽 桜開花宣言は延び延び なんかやっぱりよそいきの日記になっちゃったみたい
帰りの電車で吉本ばななの「キッチン」(だと思う)を読む二十代の女性を発見する 長岡天神で偶然その女性の隣に座ったんで横目で飛ばし読みさせていただく 吉本さんはずいぶん気合の入った「あとがき」を書いてらした 真面目な人らしい 本分のほうはどうなのかわからない この程度でいいの?という疑問とこうは書けないなという脱帽の気持ち(はあんまりないか) 最近日本の小説はほとんど読んでいない(はず)
『ビーヅ』「スピードー」開始 ただ一つのいきあたりばったりの詩 永久に未完に終わる運命の詩 「ス」今回は構成上六十一章になる 休日出勤なさった西京区役所国民健康保険係の人から電話 庁舎まで行って新しい保健証を貰う 例の図書館への道 児童公園の桜の木も芽吹いている 一本だけ早々と花咲いているのがあるのはどうしてかな 日光の当たり具合が違うのだろうか たんにおっちょこちょいなのか 平和な一日
自転車乗り 川を渡る強風に石清水あたりで引き返す 雲雀が空高く囀り青い小さな花が土手のあちこちに咲いて綺麗だった 要チェック 植物図鑑でも買おうか 本屋で岩波『続日本紀(一)』と雑誌「ノイズ」と四月から新開講になる「ハングル講座」平凡パンチ改めの「パンチザウルス」を買う うー情報過多で気分が悪くなった ああそうだ「プーの本懐」のために宮沢賢治 字が違うかもしれない の詩集見るのを忘れた 明日
三日続けて会社は休み ぼーっとしてる 彼岸なので桂駅東口には霊園への送迎バスを待つ人々の行列 毎年毎春毎秋お勤めを欠かさない彼らのような人々が丹波哲郎の「大霊界」なんか見にいったりするのだろう その映画は大ヒットしたらしい 田原は見たいとは思わないが 大相撲は荒れる大阪場所のはずが逆大波瀾 中日で横綱大関六人全員全勝で勝ち越し 朝潮効果か 『ビーヅ』デモブックとして羊狼通信社から発行したい
幌延町の事も考えた 広瀬隆氏がいうようにこの国の原発及びその関係施設で事故が必ず起きる 今日の産経新聞一面にこないだの東京電力福島発電所事故の記事 これまで日本で起きた原発関係の事故では最悪のものであったという 数年来の反対運動盛り上がりで当局側は安全性確保には並々ならぬ注意を払っているはずなのに 北北海道は人が快適に住むに適した場所ではないが 全く住めないところではない 住むなというのかな
『チェルノブイリ』を読んで考えた事 山嬢が見に行ったR・ワトソンと中沢新一の対談で 前者は地球上に人間以外にもイルカのような知的生物が生息することはある種の望みを「人間」に与えてくれると言ったらしい こないだ死んだローレンツ博士は「生まれかわれるならイルカになりたい」と言っていたらしい 原子力汚染で人間が滅亡してもイルカは生きていく 人間より自由な「土地」海で争い事もなく自然と友好的に賢く
大関朝潮引退 世間ではそのキャラクター故に惜しむ声が多い ここ数年の情けない相撲を考えれば遅すぎた いい親方になってください 新しく越した仕事場の前は小さな公園で子供が遊んだりプーのおっさんが一日ぼーっとしているのが見える ドバトとスズメが餌を漁り こないだはムクドリも来てた 桜の木は芽ぐみ始めている 四季のある国に生まれたので何でもとりあえず一年は見てみようという思考形態になってるかもね
披露困憊 「アニマ」と「エレクトロニクスライフ」を買う 「アニマ」にタガメを飼っている人の話があった 小学校入学当時理科の副読本で 鮒かなにかの体液を吸うタガメの絵を見て深く感動した覚えがある 利尻は本州とは生態系が違うので本物のタガメを見る機会はなかった 北海道を離れてすぐ 絶滅の噂を聞いて憤った しかしタガメは生きていた 東京でY沢某女と行った井ノ頭公園の淡水生物園で初めて出会ったんだ
会社で鮮京の英文マニュアルを翻訳しつつ思う 言語の習得に特別な勉強は必要ない 大切なのは単純で楽しい訓練 その教育好きと裏腹に日本人の学校英語は学生の間だけ行われる役立たずの勉強でしかない また技術書読破体質の日本人は基礎体力よりも技を尊ぶ傾向があってそれも言語習得の壁になる 楽しく(読み書き聞き話し)訓練を積んだ力持ちに倒される 英語は「勉強」するものじゃない 日本語と同じく「使う」ものだ
リクルート事件その後 楢崎議員に賄賂を拒否されて社会問題になった後も十五人の議員がリ社から 口封じの意味をこめた総額何千万円の小切手を受け取っていたという 今日の読書は染みた 宗教も文化も歴史も違う多種多様の民族が同じ場所に生活することの困難と 集団的非人間性を前にした時の個人的人間性の弱さを感じた 日本では前者を経験する機会はそうない それが日本人を弱くしている 後者については見飽きる程
自転車シーズン開幕 嵐山まで一時間足らず 薄曇りだが温暖 嬉しい 電車で河原町へ 丸善でペリカンのルイジ・コラーニペン 前のはとうに壊れてしまった を 三条のメディア・ショップで「ガロ」の四月号とヴァン・デル・ポストの「カラハリの失われた世界」を その並びの無印でA4判のノートを 鮮京ジャパンの英語のマニュアルを訳すことになったので 買う メディア・ショップには化石や鉱石なんかも置いてある
麗しの春の土曜日の暮れ方に会社では色気もなにもない「ミーティング」 求人広告の紙面づくりと社員旅行について等々 意味なし 草臥れる 山嬢に電話して後退しかかっていた気持ちを回復する 彼女の友人の結婚問題 残念ながら我々のではなく について話をする 両家のエゴによって「自分の家の名を継いでほしい」結婚が延び延びになっているとか 平和な人間たち 最後はいつもの笠智衆話に落ち着いて おやすみ
一ユダヤ人女性の優れた手紙文集を読み終えた田原は続いて 個人の出しうる限りの力でナチスの手からユダヤ人を救ったドイツ人について書かれた本を読んでいる ローザ殺害は七十年前 ナチスのユダヤ人狩り開始は五十年前 田原の親たちの世代が生まれたころ ポーランドではあの大量虐殺が行われた 誰にも止められなかった 平和にのほほんと暮らしていけるのは 実は異常な状態なのだ とあらためて気づく 気が滅入る
書物(の灰汁)から解放されるには 逆にひたすら読書をするしかないのではないか と『映画からの解放』読後みたいなことを考えた 「目の醒めたらんほど、念仏し給へ」という兼好の描いた法然上人の言葉 また「命」とは「生きる力」のことなのかとも考えた あんまり力が強すぎると時と場合によってはR・Lみたいに殺されてしまったりもするが 生きる力を必要としない時代は逆にいうと 命の蔑ろにされる時代なのかも
加藤元労働省次官逮捕 ばれそうになった時嘘をつくしかないような悪事はしないほうがよい 悪について語れるほど頭が良くも知識も深くないけれど 例によって氷山の一角とはいえ いつの日にか誰にも全体像の見える山とやることを望む パーカー万年筆の車内広告によると発明王エジソンはその生涯で三千四百冊に及ぶノートを残したという 田原もこの状態でこれをあと何十年か続けられたらいいのだけど 理解者を待ち望む
昨夜NTT前会長真藤氏受託収賄容疑で逮捕される 彼は七十八歳で拘置所暮らしをするはめに 昨日から職場にいとこの純子ちゃんがアルバイトに来ている 今日は京セラの社員四名が来て8ミリヴィデオ修理代行の件話し合い(してた) 忙しいね ローザ・ルクセンブルクってすごい 一生涯をびっこで過ごし革命家として暗殺される人間が ときには牢獄の中で 書いたとは思えないような 手紙の豊かさ 負けないで頑張ろう
5日『ビーヅ』桂桂名義で「ビーヅ」「ビーヅ外伝」十日「おこたでみかん」「還暦」「牛」「「便利」の「不幸」について」山野海彦「君の密度」「モーツアルと」 田原はあまりその方面にくわしくないがファミコン「ドラゴンクエスト」をやっている増元君がそのプログラムの中に登場する人物に「ひろあき」という名前をつけて遊んでいるという そのキャラクターは「遊び人」 絶句 まあ仕事人とは言えないが 云々かんぬん
「野郎の本箱」という言葉が『勝海舟』の中にあった 海舟の父小吉の弁によれば知識ばかり詰まっていて実際は何の役にも立たない人間のことをいうとか まるで田原のことではないか 午後目覚めて桂西友の無印良品に棒洗剤を買いにいく 「なんでそんなことにわざわざ」というなかれ それが「野郎の本棚」たる所以 髪を切って洗濯をして 後は寝るのを待つばかり ああ国道9号線に向かう道すがら民家の紅梅が綺麗だった
『ビーヅ』作り 十日一日名義で「イメージ・トレーニング」「狼」「伽藍」「自由を我等に」「大切なもの」「友を失うの歌」「渚の気狂いピエロ」「円み」「裸眼」「六十億重人格」 日本中天気の崩れ 潮ノ岬では秒速三十三メートルの突風とか 雨に足止めされ予定大幅に狂う とは言っても洗濯しようぐらいのもんだが ラジオのニューズで珍しく「アイヌ」の語を聞く 北海道日高のダム建築で立ち退きが強制されそうだとか
胡弓を弾く彼の姿を見るのも文楽の楽しみの一つだったが 残念 今どきの若い者のひ弱さを感じないではいられない 自分も含めてだけど 俳優の大坂志郎氏死去 大坂志郎といえば『東京物語』の三男坊役を思い出す 大阪(!その芸名でなかったなら小津が果たして配役したかどうか)の国鉄職員で葬式が終わるやいなや野球の試合があるのでと帰っていくそのころの現代青年役 世界中で永遠に見つめられる幸福な役者さんだ
二日ほど前動物行動学者ローレンツ氏死去 読んでないが「ソロモンの指輪」なども書いた人 結論から言えばヒトは非人間的行動をとる動物であり 人間的行動は本来動物の本能に宿しているものだという 田原の足が遠のいたのと時期を同じくして文楽の若手三味線鶴沢清吾が失踪して一年たつというニュースを日刊スポーツで読む 自分の芸は人からお金をとれるようなものではないと悩んでいたとか 彼は大変な美男でもあり
梅の花の季節になった 車内読書に疲れて顔を上げると窓の外に白梅の八分咲きが流れて消えた 昨日は春一番が吹いた パイオニアに自動車で行っての帰り長堀通りの遊歩道に低い梅の木を発見 こちらは五分咲き 木立は芽ぐみ下草も緑の色を濃くしている 学生の頃いてもいなくてもいい連中に囲まれていた時代には見えてこなかった花々の美しさが今は心に染みる 人が何を思おうと季節は勝手に巡る いっそ気分が良いわいな
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