白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2001年10月11日(木) 被差別者の砦

 実は、誰に教えられるともなく、最近、小森の学童たちは、上級生は上級生なりに、下級生は下級生なりに、”もう、今までとは違うのだ!”とその身体で受け止めていた。だからこれまでのように、何かと口実をもうけて学校をなまけるような卑怯なまねは出来ないし、また、そんな卑怯なまねをする必要もなくなったのだ。なぜなら、もし嘲られ、はずかしめられたような場合は、従来のようにこっそり一人で泣くことをやめて、ありのままを小森の人たちに伝えればいいのだ。そうすれば小森の人たちは、そのような嘲りや罵りが、どんなに深い傷を人の心に負わせるになるかということをわ、徹底的に相手方にわからせるために、何をおいても話し合いにでかけてくれるのだ。(「橋のない川」第五部)


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