白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2001年11月09日(金)

 画伯(元中学美術教師)が顔を見せた。
「いい天気ですなあ。おや、飛行機が飛んでますね。見えますかな」といたわる。
「見えますとも」とまだ目も達者なことを自慢する。白い雲を二本引いて南に向かうジェット機が光っている。「沖縄便ですかな」。
「そうでしょうな。ところで白月さん、『静』という字の意味を知っていますかな。あの字は青に争うと書きますね。あれは青と青がその色の深さを争うというところからできているです。きょうの空の色のようにどこまでも深い青の美しさを言うんでしょう。いま研修センターにいる教え子がおしえてくれたんですよ」ついでにしばらく出世した教え子の自慢話をして帰って行った。
 なんだかうさんくさいので藤堂博士の「漢字語源辞典」にあたってみたら「青は審(澄み切ったさま)+争音声、字義には関係ない」とあった。


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