白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2003年12月04日(木) 片道切符

 埼玉移住のために羽田便の往路を予約した。「片道でよろしいですね」という旅行代理店員の確認で退路を絶った北帰行であることを強く自覚させられた。七十年間慣れ親しんだふるさとと永遠の別れになるかも知れないという思いがこみあげて万感胸に迫るものがあつた。古希という年齢から生還期しがたい旅立ちではあるけれど万が一ということを考えて住みなれた家は空家として残すことにしたが家を空けることで狐狸のねぐらとなりはてることも必定であらためてふたたび故郷の土を踏むことはあるまいという予感がつよくなるばかりである。


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