難意語のつづき。松本清張を読んでいたら「一丁字(いっていじ)」ということばに出会った。「タニ(人名)は眼に一丁字がなかった」(「骨壺の風景」) 七十年の生涯ではじめて出会ったことばだ。急いで辞書にあたると「無学で字の読み書きができないこと」とある。引用文は続いて「おまえは素養のない女だ」とあるからこういう意味であるわけだ。知らないことがまだまだ多い。