2001年10月11日(木) |
『デモンストレーター』体験記 ① |
バイト体験談をつづっていこうと思う。
皆さんは、『デモンストレーター』なる職業を知っているだろうか。
私のイメージ的には、イベントのコンパニオンみたいなものを想像していた。
ちょっとかわいい制服を着て、バスガイドかエレベーターガールのように
手をかざしながら説明する♪……てな感じだ。
さて、当時私は会社をやめ、ハローワークに通っている身だった。
失業保険というものは、三ヶ月の待機期間があり、そのあと受給できるのだが
この三ヶ月間は無給なのだ。ダンナの給料で食ってはいけるが、自分の保険代が
こんなにかかるとは知らなかった…。
国民健康保険と、国民年金、である。
しかも、健康保険は、前年度の給料をもとに計算されるので、無給の身には
かなり辛い額が請求される。
と、当座の金がほしい……
そこで、『一日からでもOKよ♪』というセリフにつられて、デモンストレーターのバイトを
申し込んだのであった。
** ちなみに、待機期間中にバイトをしても、不正受給にはならない。このことを
あとで知らされて、『ウガーーッッ』と吼えまくった。 だったらもっとバイトしたわ!
ハローワークでは事前にひとことも教えてくれないことが多い。他にも、知っていたら
損はしなかった…っていうことがたくさんある。ま、これは別のハナシ……
久しぶりに履歴書を書いて、面接の場所へ。
『こんにちわ~』
と、ドアを開けた私の目の前には、『舞台稽古場?』と思えるような風景が。
ドアの右手には、パイプ椅子の列。左の方には、商品がズラリ。
叫んでいる子あり、なにやら暗記している子あり。
そして、メーカー企業OLとして過ごしてきた私にとっては、信じられない言葉。
『なに?』
なに? じゃないだろう、普通! 面接会場ってドアに貼られてたぞ!
『いらっしゃいませ』とかなんとかじゃないのか? 時間指定してきたのはお前たちだ!
『あぁ、DAIさんね。こちらにどうぞ』とか、あるだろう! なに? とはなんなんだーーっ!(ちょっとご立腹)
それでもまだ、私のイメージは↑イベントのコンパニオンみたいなものを
想像していた。ちょっとかわいい制服を着て、バスガイドかエレベーターガールのように
手をかざしながら説明する である。
めんくらった私は、彼らのペースに呑まれていく…。
怒涛のような説明を受け、初めて
『デモンストレーター』はいわゆる『マネキンさん』である
ことを知った。!(; ̄△ ̄)
!! ショック!
マネキン。
ショーケースに入って、服を見せびらかしている人形のことじゃないですよ。
スーパーで肉やら野菜やらを試食させて売ってるひとのこと。またはその職業名。
イベントのコンパニオンみたいなものを想像していた。
ちょっとかわいい制服を着て、バスガイドかエレベーターガールのように
手をかざしながら説明する♪
エプロンに三角巾をつけて、爪楊枝をさしながら おばちゃんとタメをはる。
……………マジかよ………。
ショックをうけている間に、『バイトの心得』という冊子までもらう。
社会人としての当たり前のことなどが記載。
それを声に出して読まされる。
…………………… なんだこの屈辱は…………… (-""-;)
読み終えたワタクシ、
『つまり、マネキンさんなんですね』
担当のお姉さん。
『マネキンとは違うのよッッッ!!』(強調)
どうも、彼らの中では、マネキン=おばさん デモンストレーター=若者
とあるらしい。
速攻、アンケートを書かされる。
1. 料理は好きですか?
主婦なので料理はできる。が、ここでYESと書いたときにゃあ
おかずを調理して売らされてしまうに決まってる。
油や包丁やいろいろ持ってったり借りたりするのがメンドウだろう。
よって、NO。
2.お酒は飲みますか?
OL時代、ガバガバ飲みました。が、ここでYESと書いたときにゃあ
ワインやらビールやら売らされてしまうに決まってる。
ワインは知らないんだよねー。って、ボージョレ・ヌーヴォの解禁って
最近あったよなぁ。売らされるに決まってる。ダメダメ~。
よって、NO。
-------------腹黒?
『…ほんとに、ダメなの?』
『はい、全然』
猫の皮をかぶる私。
息つくひまもなく、次に、カレンダーらしきものを渡される。
『空いてる日があったら、マルしてくれる?』
………って、おい、イキナリかよ! どんな仕事をするのか聞いてないよ!
とは、とてもじゃないが言える雰囲気ではない。
アンナに『追加腹筋500ね』といわれ『イヤ』と言えない葉の雰囲気(by シャーマンキング) と
言えばわかるだろうか(オタクすぎてわからんよ!)
一日だけでもOK♪ というアレは、新聞勧誘と赤い羽根募金とNHKの集金の
すべてをうまく断れる技量の持ち主でなければ難しいかもしれない…。
とりあえず、3つほどマルをつける。
『この日はダメなの?』『この日はお給料アップよ』『ここはどう?』
たたみかけられます。
学生だったら、マルつけたかも。
『様子をみて、大丈夫なようでしたら、またご連絡いたしますわ』
とりあえず、逃げ。 金は欲しいが、一度仕事をやってみなけりゃわからないじゃない!
『オッケー、じゃ、次、練習ね。マエダさん、よろしく』
練習って………ナニ?(汗)
ベルトコンベアに乗せられた感がいなめない。
やってきたマエダさん。どうみてもハタチそこそこ。
浜崎あゆみ風の髪色、渋谷にいそうなギャルメイク(さすがにガングロではない)
こ、こいつに教育受けるのかよ。
しかも、タメ語。
……オヤジたちの気持ちが少しわかる………
『はーい、じゃあ、おっきい声で「いらっしゃいませー」って言ってねぇ』
『声ちいさいわよー。もっと大きく。次は私に続いて言ってみて』
『こちらは新製品のヨーグルトでーす!』
------------- しばらく続く --------------------
合格した私は、ライオン商品を売ることに決まり、ライオン商品と
各々の特長を暗記。
翌日、はじめての『デモンストレータ』デス。
さて、いかに!?
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