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殺人鬼の放課後/恩田陸・小林泰三・新津きよみ・乙一 2002年02月02日(土) スニーカー文庫から出ている、ミステリー・アンソロジー。四編入ってるけど、割と薄め。「水晶の夜、翡翠の朝」(恩田陸) これは、「麦の海に沈む果実」と同じ舞台。登場人物も一部同じ。この作品の短編、よく書いてますね。 童謡を使った見立て怪事件。短いながらも、すごくスタンダードな推理もの。 「攫われて」(小林泰三) 少女が誘拐された経験を話す…という話なんだけど。 私、読んでて気持ち悪くなって倒れそうになりました(笑) 病院の待合室(付き添い)で読んでたんだけど、座ってたからよかったけど、立ってたらやばかったかも。血の気がすーっと引く感じで、やばい、と思ったのでちょうど最高潮のところで読むのを中断。昔、「殺人鬼」(綾辻行人)を立ち読みしていて、足折られるシーンで、血の気が引いて倒れそうになったことがあるんだけど。それ以来ですね。私、ホラーも読むし、一般よりはかなり恐がりではないと思うんだけど、痛いのはダメなのー。いやもう、ほんとに痛かった。 ちょうど、気持ち悪くなって読むのを中断したところで、母親が戻ってきて、私がジュース買って飲んでしゃがみこんでしまったので、どうしたの?と訊かれ。「本読んで気持ち悪くなった」と答えたら、「どうして、○○(兄)とあんたはそんな本読むのかねー」と笑われた。いえ、別に私は痛い本を読みたいわけではないんですが。読んだら、そういう話だったんです!(笑) 痛くなければ、ミステリはスリリングでおもしろいのよ。 その後、電車の中でつづきを読んだけど、あとはそんなに痛い描写がなかったんで大丈夫だった。 読み終わってみて、話自体はすごくインパクトがあったと思う。いろんな意味でね。かなり強烈に忘れられない話になった。ちょっと読み返したい衝動もあるんだけど、また気持ち悪くなるとイヤだから、我慢してる…。 それにしても、母が「どうしてそんな本を読むの?」と訊いたけど、私は「どうしてそんな話を書くの?」と思う。読んだだけで気持ち悪くなるほど痛い描写が書けるっていうのは、筆力があるってことなんだろうけど、どうして、痛くしなければいけないのかな…。それとも、読んで痛いと想像してしまう感覚が、麻痺してるの? 「還って来た少女」(新津きよみ) 自分にそっくりな少女が現れるという…。 さらりとしたホラーというか。私、こういうの全然怖くないんだけど…。怖いのかな? いや、怖がりたいわけじゃないんだけど。でも怖くなかったらホラーの意味がないよね。 「SEVEN ROOMS」(乙一) 姉弟が、誘拐されて監禁される話。その部屋は7つあって、小さな溝でつながっている。そして、一部屋に一人ずつ女性が入れられていた。 なかなか、凄まじい話でした。設定がすごい。かなりスプラッタなんだけど、痛くはない。(痛いと思う人もいるかも?) 泣かなかったけど、読み終わった後思わず沈黙して立ち上がれなくなってしまうような…。スプラッタのくせに、いい話でした。スニーカーの彼の話は、どれも好きだ。 |
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