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お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き/吉野朔実
2002年10月20日(日)
お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き/吉野朔実(角川文庫)

お出かけ中に、来るときに読んでいた本が終わってしまったので現地調達。何気なく手にとって何気なく買ってみて何気なく読んでみたら、とてもおもしろかったのでお得感を感じてしまった本です。
吉野朔実さんは漫画家。私はこの人の漫画は「ECCENTRICS」を読んだだけ…かな? 絵は顔があまり好みではないのだけど、全体的な雰囲気は嫌いじゃないです。繊細な感じでキレイ。ストーリーは、こ難しい不思議な話を描く人だなと思ってました。

この本は、「本の雑誌」に連載されていたエッセイをまとめたもの。読書周辺の話題を漫画で描いてます。
すごく、そのネタひとつひとつについて語りたくなる本なんですよね〜。
というわけで、書きたいと思ったところを順に書いていきます。

・「「咳をしても一人」は誰の句だったか?」
最初の話が、「咳をしても一人」というのは誰の句だったか、みんなで探すというもの。
これねえ、私の周りで実際にあったんですよね(笑)
私がもうひとつの日記に、そういうタイトルで書いた日があって、それを見た友だちが「誰の句だったっけ?」って。私もちゃんと憶えてなくて、「尾崎なんとかだったかな?」なんて答えた気がします。啄木だっけ?っていうのもちらりと思ったんだけど、このエッセイの中にもそんなこと言ってる人がいました。なんでかな、寂しげに「ぢっと手を見る…」って感じとだぶるからかな?(笑)
彼女はあちこちに聞いて回ったりせずに、自分で答えを見つけてしまったのですけどね。
というわけで(?)、正解は書かずにおきます。

・「友人に薦めてもらった本はつまらないほど面白い。」
私は、人に本を紹介するのは好きだし、そういう紹介本も割とよく読む方だと思います。でも、友だちから「おもしろいよ」と言われて借りると、おもしろくなかったら申し訳ないような、読みたい気持ちになれなくても読まなきゃいけないような。。
これは、借りた本がおもしろかったら、「おもしろいねえ」で終わっちゃってつまらないけど、その本がつまらなかったら、「どうしてつまらなかったか」「どこがつまらなかったのか」を議論できておもしろい、ということが書かれてます。
勧めてくれた本を読むということは、「その人」を読むことだから、と。
うーん、なるほどなあと思いました。
こういうことで語り合えるのはおもしろいですね。
私は今まで、おもしろかった本のことは語り合っても、つまらなかったことは語り合ったことなかった気がします。

・対談
「妻を帽子とまちがえた男」は脳障害によるさまざまな症例を紹介した本らしいです。タイトルにもなっている、「妻を帽子とまちがえてかぶろうとした男」の話とか。
まだ読んでないのですが、この対談読んで期待大です。
あまりにもおもしろそうなのですごく読みたくて、次の日にすぐ図書館に行ってきました。書庫に入っていたのだけど、わざわざ出してきてもらって借りました。(高いから買う気にはなれなかった)
あとケストナーの「飛ぶ教室」も読んでみたくなりました。うちにある子供向けの全集に入ってるんだけど、読んだことなかったのです。読んでみようと思います。


絵もかわいくてとても読みやすいので、本好き、議論好き(笑)の人にオススメです。


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