| .....PAPER MOON |
| .....HOME .....MAIL .....OLD .....INDEX .....NEW |
妻を帽子とまちがえた男/オリバー・サックス 2002年10月27日(日) 妻を帽子とまちがえた男/オリバー・サックス(晶文社)脳障害により起こるさまざまな症例をまとめた本です。 視覚に障害が現れ、妻を帽子とまちがえてかぶろうとする男性。でも彼には優れた音楽の才能が有り、歌うことですべての動作をこなしていく。…こう書くと、「?」という感じかもしれませんが。 過去の記憶が個人のアイデンティティの源ならば、記憶がどんどん失われていき、1分ほどのことしか憶えていない男性の魂は?といった話や、キューピッド病というとてもしあわせな気持ちになる病気から治りたがらない女性、数字に強くて、落ちたマッチ棒の本数を瞬時に「百一」と言い当てる双子など…。 人間が暮らしている中で、当たり前のように備わっている機能が壊れたらどうなってしまうのか。誰もが、その壊れた状態を個々のアイデンティティとして生きていくんですね。みんなと同じではなくても、違うところを補える部分というのがあるんですね。 とてもおもしろかったです。 人間(に限らないだろうけど)の可能性ってすごいんだなあと思いました。 そして、いろんな部分をひっくるめて、「その人」なんだなあと改めて思いました。好きな部分、受け容れがたい部分、両方あるけれど、全部でその人なんだよなと。だからしょうがない、がんばっていこう。 |