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『鼻』曽根圭介 2011年02月24日(木) 確かメッタ斬りを読んで、読んでみたいと思っていた本だと思うのですが、やっぱりホラーはなかなか手が伸びないんですよね。体調のいい時でないと読んじゃないけない気がするので。今回手に取ったのは、某被告が逃亡中に読んでいたということで、どういう内容なのか気になったからです。読んでみての感想は、うぇ、気持ち悪い…って感じです…。 短編3本収録されているので、ひとつずつ感想書いてみます。 「暴落」 個人が株式上場して、友人や普段の態度などが株価の評価につながる社会の話。すごくブラックなんだけど、文章があっさりしているので、ひどいことを書いていても割りとさらさらと読んでしまえるんですね。終わり方はそれほど意外でもなかったけど、うまくまとまった話だとは思います。 「受難」 酔いつぶれて気がついたら、ビルとビルの隙間に手錠でつながれていた男の話。 これが一番気持ち悪かった。普通の世界の話らしいのに異常者ばっかりなところが。あっさりした文章でもこれだけ気持ち悪いのだからなあ。 設定は、乙一の『THE BOOK』だったっけ、思い出した。 「鼻」 表題作。 内容(「BOOK」データベースより) 人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、二人の少女の行方不明事件を捜査している。そのさなか、因縁の男と再会することになるが…。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「鼻」他二編を収録。大型新人の才気が迸る傑作短編集。 -------------- なるほどなるほど。いろんなところに伏線が張られていることが、読み終わるとわかります。装丁とかもそうだよね。 おもしろかったです。気持ち悪いけど。個人的には、3編の中ではこれがいちばん好きかな。 ★★★ |
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