気まぐれ日記
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2003年07月05日(土) スタオー3はじめました。

 理由が不純なんで突っ込まないでください。でも、最初のシミュレーションバトルでプレステとまってしまい、オープニング4回見ました。それで疲れました。(爆笑)やっぱり動機が不純だからですか? 「頼むから、ホテル内にもセーブポイント作ってくれー!」心の叫び。

 「夏目さん、こんにちはーですう」
 ポニーテールの少女が玄関から飛び出した。ただ、少女に見えるだけで、かなり若作りしている。詳しい年齢などは夏目は知らない。それが、夏目の担当の天藤美幸である。
 「いらっしゃい、天藤さん」
 「お風邪の方はいかがですか?」
 「うん、熱は下がったよ」
 「原稿は?」
 「できてるよ」
 「うわはあ、さすが、夏目さん。暇人ですね」
 「暇ってねえ。まずはあがって」
 「そのつもりですう」
 美幸はうれしそうに部屋に上がった。
 「トーマ様、コーヒー出しますか?」
 「ああ、頼むよ」
 セリナの質問に夏目は答える。そして、すぐに
 「ドールだあああ!」
 美幸は叫んだ。
 「夏目さん、ドールなんて買ったんですか? でもどうやって?」
 「違うよ、いろいろわけあってねえ」
 夏目は美幸に事情を話す。それを聞いて納得したようだった。
 「そうですよね、ドールが買えるわけないですよね」
 「どうぞ」
 「ありがとうですう」
 セリナが運んできたコーヒーを美幸は受け取った。
 「夏目さんのところに来ると、コーヒーが飲めるですう」
 そして、彼女は噴き出した。
 「これ、夏目さんのですう」
 美幸は夏目の部屋に通ううち、彼の好みを知っている。夏目がコーヒーを入れる際、彼自身もたまに間違えていた。
 「ごめん、セリナのやつ、また間違えたな」
 夏目がカップを取り替える。そして、美幸が口をつけたカップで飲んだ。
 「いつも思いますけど平気なんですかあ」
 「大丈夫、そっち口つけてないから」
 「そうじゃなくてえ、夏目さんの方ですう」
 「天藤さんは知ってる人間だからね」
 それでも信じられないような顔をして美幸は続けた。
 「そういえば、夏目さんのお姉さんがコーヒー出したときも間違えて出されて、同じようなことやってましたけど……」
 「姉さんも抜けてるからなあ」
 「普通、女の方っていやじゃないですかねえ」
 「……さあ、そこまではね」
 夏目は黙ってコーヒーを飲む。
 「あなたはどう思う?」
 美幸がセリナに聞いた。
 「わかりません」
 セリナはにっこり答える。
 「そうだよねえ」
 「セリナ、なんか甘いの残ってなかったかな?」
 「クッキーなら少し」 
 「夏目さん、そんな気を使わないでください」
 「いいよ、俺が買ってもあまり食べないし」
 「そうですかあ」
 美幸が夏目のところにこまめに通うのは、このようにコーヒーとお菓子がついてくるからだった。だから一応断るのだが、遠慮なくいただいている。夏目も気にしない。作家と編集者という関係とは他に、二人は互いに友達だった。
 めったに食べられないクッキーを堪能し、しゃべりたいだけしゃべったら美幸は満足する。
 「では、夏目さん。次回の締め切りは再来月ですので、よろしくお願いしますう」
 ディスクをかばんにしまって彼女は帰っていった。
 「楽しい方ですね」
 セリナは言った。
 「そうだろ、たまに、にぎやかでいいんだ。彼女がくると」
 「たまに?」
 「そう、いつもだったら疲れるからね。だからセリナは彼女の真似をすることないんだよ」
 「わかりました」


草うららか |MAIL

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