気まぐれ日記
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2003年07月21日(月) あ、そうそう

 夏目の作家名「木野由貴子」は平安時代(だっけ?)「土佐日記」を書いた紀貫之から。自分を女として書いているから……。
 さて、キャラ日記、一週間だけ復帰です。何を書こうか。

 奴は、滅びゆくこの世界にとどまっていた。静かだった。奴は気に入りの酒の入ったグラスを傾けて笑みを浮かべていた。
 「本当にいいのか?」
 「ええ、かまいませんよ」
 平然としてまたグラスを傾ける。
 「僕は、この世界の管理人です。僕が最期までついていなかったら。と、いうか僕はもう、魔界にも神界にも飽きたから」
 「その酒も飲めんぞ。人間で言ったら死、われわれには消滅、だ。お前は自殺するつもりなのか?」
 「自殺? 何を言うんですか? これこそ自然の理ですよ。この世界は、いわゆるお間抜けな終わり方でなくなるんですよ。でも、それが自然なんですから」
 「そういえば、聞いてなかったな。何故、この世界は滅ぶ?」
 「この世界は発展しなかった。偶然作り出した核は世界を放射能で埋め尽くした。人間の無知は世界をも滅ぼすんですよ」
 「なるほど、だからお前が手を下したんだな、とどめを」
 天変地異を起こし、生き残ったものものをがけっぷちに追いやった。
 「いい、世界だった。環境破壊も少なかった」
 「もう、なにも言わん。お前は?」
 奴はグラスを置いた。
 「兄に、お幸せにと。母に、さよならと。僕の本体に、すいませんと」
 私は瓶に残っていた酒を奴の空のグラスについでやった。
 「それから、貴方に、ありがとう」


草うららか |MAIL

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