気まぐれ日記
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2003年08月02日(土) 祭りだ祭り

 と、言っても雨だ。はうわあー。でも今やんでいるから、夜行ってみたいなあ。

 目に見える部分の傷だけでも、と森は傷の手当てをした。夏目が動かなかったのでやれるとことは限られたが。
 「起き上がれるかい?」
 夏目が首を振る。
 「なんか、すっごい眠い」
 「……じゃあ、少し寝てるといい」
 しかし、そこに菊池が入ってくる。森を探していたらしい。
 「先生、そこにいらしたんですか?」
 「まあね。傷ついた女性がいたら介抱するのは当たり前だからね」
 「そうですか。しかしその方は……」
 「知ってるよ。私の患者だからね。菊池さん、仮眠室があったでしょ。彼女、どうやら何か飲まされて眠いそうだから貸してあげて」
 「はあ?」
 「困ったことに、彼女は少々難しい薬を飲んでいるからね、眠剤なんか飲んだりしたら厄介なんだ。ほら、夏目君……」
 しかし、夏目はすでに眠っていたため起きないので森が背負った。
 「先生、私が運びますよ」
 「いや、いいよ。案内を頼む」
 「ところで、先生」
 「何か?」
 「その方とは、どういった関係で。あ、これは私個人興味本位であって……」
 「医者と患者、です。それ以下でも以上でもないですよ」
 「そうですか」
 エレベータで何階か下がった。廊下を少し行くと、仮眠室と書かれた部屋の前で菊池はとまった。鍵を開けると簡易布団がいくつかある部屋だった。
 「ちょっとまってね。彼女を寝かせるから」
 森が寝つめを寝かせてから、耳打ちをする。
 「こっちが終わったら迎えに来るから、それまで寝てなさい」
 夏目がうっとうしそうに返事をすると、森は部屋を出た。
 「菊池さん、それでは私は仕事に戻ります。そうそう、尾崎バカ社長に伝えておいてください。彼女をやるときは私もまぜてくれと」
 「はあ……」
 菊池は少々驚いて森を見た。
 「ああ、尾崎とは高校が一緒でね。向こうも私を知っているから」
 「そうですか」
 森は仕事に戻る。菊池もあとは聞かなかった。


草うららか |MAIL

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