気まぐれ日記
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と、言っても雨だ。はうわあー。でも今やんでいるから、夜行ってみたいなあ。
目に見える部分の傷だけでも、と森は傷の手当てをした。夏目が動かなかったのでやれるとことは限られたが。 「起き上がれるかい?」 夏目が首を振る。 「なんか、すっごい眠い」 「……じゃあ、少し寝てるといい」 しかし、そこに菊池が入ってくる。森を探していたらしい。 「先生、そこにいらしたんですか?」 「まあね。傷ついた女性がいたら介抱するのは当たり前だからね」 「そうですか。しかしその方は……」 「知ってるよ。私の患者だからね。菊池さん、仮眠室があったでしょ。彼女、どうやら何か飲まされて眠いそうだから貸してあげて」 「はあ?」 「困ったことに、彼女は少々難しい薬を飲んでいるからね、眠剤なんか飲んだりしたら厄介なんだ。ほら、夏目君……」 しかし、夏目はすでに眠っていたため起きないので森が背負った。 「先生、私が運びますよ」 「いや、いいよ。案内を頼む」 「ところで、先生」 「何か?」 「その方とは、どういった関係で。あ、これは私個人興味本位であって……」 「医者と患者、です。それ以下でも以上でもないですよ」 「そうですか」 エレベータで何階か下がった。廊下を少し行くと、仮眠室と書かれた部屋の前で菊池はとまった。鍵を開けると簡易布団がいくつかある部屋だった。 「ちょっとまってね。彼女を寝かせるから」 森が寝つめを寝かせてから、耳打ちをする。 「こっちが終わったら迎えに来るから、それまで寝てなさい」 夏目がうっとうしそうに返事をすると、森は部屋を出た。 「菊池さん、それでは私は仕事に戻ります。そうそう、尾崎バカ社長に伝えておいてください。彼女をやるときは私もまぜてくれと」 「はあ……」 菊池は少々驚いて森を見た。 「ああ、尾崎とは高校が一緒でね。向こうも私を知っているから」 「そうですか」 森は仕事に戻る。菊池もあとは聞かなかった。
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