気まぐれ日記
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夜はやれそうもないんで、まだ体力がある朝から。とは言っても寝ぼけ頭でどこまでできるか? 今の場面、勢いがなければ書けそうもないんだけど……。
夏目が目を覚ましたのは、薄暗い部屋だった。体のあちこちが痛い。起き上がろうとしても起きれなかった。 「夏目君、大丈夫かい?」 聞き覚えがあった。この声で目が覚めた。 「あんた、なんでこんなとこにいるんだ?」 「私はね、ここの専属医なんだよ。こうしてたまに、おえらい爺どもの検診をやってるんだ」 森はつまらなそうに答える。 「……ここの社長は若かったけど」 「ああ、あれは若社長でしょ」 どうやら、あの上に他にも偉い人がいるらしい。 「で、ここにあんたがいるのは何故だ」 どう見ても、専属医が通される部屋じゃない。寝ているため部屋全体は見えないが。 「うーん、患者がいるところはなんとなくわかるんだ」 「発信機でも付けてんじゃないの」 「それより、君がなんでそんな目に合っているか、聞きたいね」 「……セリナが目的だよ」 「セリナ……あのドールか」 「それで起動停止したら、あの社長が怒ってっていうより楽しんで……途中までは覚えているけど、あとは覚えてない」 「酷くやられたようだね。今なら暴行猥褻罪で訴えることできるよ」 「こんな大きな会社だったらもみ消すだろ。あんただってそうだし」 「まあね。ただ、許せないのは私の患者に手をだしたことだね」 「はあ? あんたにそんな気持ちがあるとは思わなかった」 「いや、それちょっと違うな、夏目君。こんな面白いことに自分の患者を使われるのが許せないだけだよ」 「……どういった意味だ。それ」 「ま、それよりちょっと傷見せなさい。化膿すると厄介だから」 往診するのに傷薬まで入っているのか、森は消毒薬やら絆創膏などを鞄から取り出した。
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