気まぐれ日記
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2003年08月01日(金) 朝っぱらから

 夜はやれそうもないんで、まだ体力がある朝から。とは言っても寝ぼけ頭でどこまでできるか?
 今の場面、勢いがなければ書けそうもないんだけど……。

 夏目が目を覚ましたのは、薄暗い部屋だった。体のあちこちが痛い。起き上がろうとしても起きれなかった。
 「夏目君、大丈夫かい?」
 聞き覚えがあった。この声で目が覚めた。
 「あんた、なんでこんなとこにいるんだ?」
 「私はね、ここの専属医なんだよ。こうしてたまに、おえらい爺どもの検診をやってるんだ」
 森はつまらなそうに答える。
 「……ここの社長は若かったけど」
 「ああ、あれは若社長でしょ」
 どうやら、あの上に他にも偉い人がいるらしい。
 「で、ここにあんたがいるのは何故だ」
 どう見ても、専属医が通される部屋じゃない。寝ているため部屋全体は見えないが。
 「うーん、患者がいるところはなんとなくわかるんだ」
 「発信機でも付けてんじゃないの」
 「それより、君がなんでそんな目に合っているか、聞きたいね」
 「……セリナが目的だよ」
 「セリナ……あのドールか」
 「それで起動停止したら、あの社長が怒ってっていうより楽しんで……途中までは覚えているけど、あとは覚えてない」
 「酷くやられたようだね。今なら暴行猥褻罪で訴えることできるよ」
 「こんな大きな会社だったらもみ消すだろ。あんただってそうだし」
 「まあね。ただ、許せないのは私の患者に手をだしたことだね」
 「はあ? あんたにそんな気持ちがあるとは思わなかった」
 「いや、それちょっと違うな、夏目君。こんな面白いことに自分の患者を使われるのが許せないだけだよ」
 「……どういった意味だ。それ」
 「ま、それよりちょっと傷見せなさい。化膿すると厄介だから」
 往診するのに傷薬まで入っているのか、森は消毒薬やら絆創膏などを鞄から取り出した。
 


草うららか |MAIL

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