気まぐれ日記
DiaryINDEXpastwill


2003年08月04日(月) こんのお酔っ払い!

 私のことです。ただいま酔っ払い中。だいぶ酔いが覚めてますが。それでもまだ、酔ってます。
 ところで、ここにアクセスしてくれる方で、「女剣豪」やら「美人のお姉さん」で検索してくれる方がいらっしゃるんですが……。これで見つかるなんてすごいですね。

 目覚めはさわやかだったが、胸苦しかった。なんだか服に締め付けられている。夏目は起き上がった。よく寝た、そう思った。
 「……」
 彼は、戻っていた。
 「?」
 こんなことは初めてで、何がなんだかわからない。
 「俺、だよな」
 とにかく苦しいので胸元を開けた。靴……スニーカーをはこうとしたが、つま先しか入らない。
 「じっとしてよう」
 かすかに覚えている。森が耳打ちしたのだ。しかし、起動停止したセリナが心配だった。
 「この格好じゃ怪しまれるしなあ……」
 そのとき、都合よくノックする音が聞こえた。返事をせず横に隠れた。
 「夏目さん。僕です。菊池です」
 菊池がはいって来た。何しに来たのかわからないが、夏目は腕を振り上げ、菊池の首筋を殴った。どさりと、菊池の体が倒れた。
 「すいません、借ります」
 菊池の背広を脱がせ、自分が着る。髪を少しなぜつけ整える。夏目は就職活動以来久しぶりに背広を着た。ついでに靴も借りる。少し地味だが怪しまれないだろう。彼は部屋を出る。
 「君、待ちたまえ」
 部屋を出てすぐ、誰かに呼び止められる。
 「はい」
 なるべく平然と振舞うように夏目は振り向いた。
 「何か?」
 「見かけない顔だね。所属は?」
 中年のお偉いだろうか。夏目はちょっと考えた。下手な答えではばれる。
 「僕は、森先生の秘書です。実は急用で伝えなければならないことがありまして。しかし、広い会社ですね、迷ってしまいまして」
 「森先生の? 森先生ならこのすぐ上の保養室にいるよ。案内してあげるから」
 「お願いします」
 中年の男に連れられ、夏目は内心ほっとした。どうやら森はまだ帰ってないようだ。エレベータで上に上がり、部屋の前まで案内される。
 「すいません」
 「夏目君、どうしたんだい?」
 「急用が入りました、先生」
 「わかった。すまんが、少し席をはずしてくれるかい?」
 検診を受けていた初老の男らを部屋から出して、森は夏目を見た。
 「どういったことかな、これは」
 「わかんない。起きたらなっていた」
 森は拍子抜けたようになって、うなった。
 「不思議だね。貴方が薬を使ったとは思えないし」
 「だから、先生に聞いたんだけど……。あと、セリナを探さないと」
 「もう少し、私の秘書になってなさい。尾崎に口を割らせるから」
 「わかった」
 「さて、爺どもの検診を再開するよ」
 再び森は初老のお偉いを集めて検診を行った。それまで夏目は黙って座っていた。

  


草うららか |MAIL

My追加