気まぐれ日記
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私のことです。ただいま酔っ払い中。だいぶ酔いが覚めてますが。それでもまだ、酔ってます。 ところで、ここにアクセスしてくれる方で、「女剣豪」やら「美人のお姉さん」で検索してくれる方がいらっしゃるんですが……。これで見つかるなんてすごいですね。
目覚めはさわやかだったが、胸苦しかった。なんだか服に締め付けられている。夏目は起き上がった。よく寝た、そう思った。 「……」 彼は、戻っていた。 「?」 こんなことは初めてで、何がなんだかわからない。 「俺、だよな」 とにかく苦しいので胸元を開けた。靴……スニーカーをはこうとしたが、つま先しか入らない。 「じっとしてよう」 かすかに覚えている。森が耳打ちしたのだ。しかし、起動停止したセリナが心配だった。 「この格好じゃ怪しまれるしなあ……」 そのとき、都合よくノックする音が聞こえた。返事をせず横に隠れた。 「夏目さん。僕です。菊池です」 菊池がはいって来た。何しに来たのかわからないが、夏目は腕を振り上げ、菊池の首筋を殴った。どさりと、菊池の体が倒れた。 「すいません、借ります」 菊池の背広を脱がせ、自分が着る。髪を少しなぜつけ整える。夏目は就職活動以来久しぶりに背広を着た。ついでに靴も借りる。少し地味だが怪しまれないだろう。彼は部屋を出る。 「君、待ちたまえ」 部屋を出てすぐ、誰かに呼び止められる。 「はい」 なるべく平然と振舞うように夏目は振り向いた。 「何か?」 「見かけない顔だね。所属は?」 中年のお偉いだろうか。夏目はちょっと考えた。下手な答えではばれる。 「僕は、森先生の秘書です。実は急用で伝えなければならないことがありまして。しかし、広い会社ですね、迷ってしまいまして」 「森先生の? 森先生ならこのすぐ上の保養室にいるよ。案内してあげるから」 「お願いします」 中年の男に連れられ、夏目は内心ほっとした。どうやら森はまだ帰ってないようだ。エレベータで上に上がり、部屋の前まで案内される。 「すいません」 「夏目君、どうしたんだい?」 「急用が入りました、先生」 「わかった。すまんが、少し席をはずしてくれるかい?」 検診を受けていた初老の男らを部屋から出して、森は夏目を見た。 「どういったことかな、これは」 「わかんない。起きたらなっていた」 森は拍子抜けたようになって、うなった。 「不思議だね。貴方が薬を使ったとは思えないし」 「だから、先生に聞いたんだけど……。あと、セリナを探さないと」 「もう少し、私の秘書になってなさい。尾崎に口を割らせるから」 「わかった」 「さて、爺どもの検診を再開するよ」 再び森は初老のお偉いを集めて検診を行った。それまで夏目は黙って座っていた。
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