気まぐれ日記
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今日はヘネシーの日記。彼女はイーリスの……。
私は荒らされたという村を訪れた。イーリスは国外ということで同行していない。一人でここにいる。焼けた村は閑散としていて、途方にくれた人々、亡くなった人たちを惜しみ泣く人々、明日をどのように生きようか考える人々。さまざまだった。地獄絵図、とまではいかないだろうが村にとってはそれだろう。 「ここに、この男が現れなかったか?」 「はて? 見ただろうか」 村人の一人に、写真を見せた。他にもみせたが首をひねるものばかりだった。捜している男は、この村をこのようにした張本人だ。 「多分、来るよ」
出る前にイーリスが一言言った。言葉が少なすぎるイーリスの言葉を理解するのは苦難だが、今回はすぐわかった。この村の絶望をさらにどん底につき落とす存在が現れる、ということだ。 魔族が来る。 だから、私はここに来た。魔族を切れるのは、私だけ。
「王女は、千年に一人の存在なのですよ。魔剣を必要とせずとも魔族を消滅させる力を持つ人間。そう、私が昔会ったのは貴方の祖先ですがね」
と、グオンは言ったことがある。やってやろうじゃないか。この村を魔族から守ろう。
イーリスも喜んでくれるから。
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