気まぐれ日記
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2003年08月27日(水) |
唯乃さん宅で書き込み |
東京は暑いですね。でも、涼しいほうだと。そうみたいで、草もうだってません。さて、今日はどうしましょうか?ああ、そうだ。ずっと前、友人がリクエストとした、マスディスさんにしましょうか?
アニムと名乗ったそのエルフがだいぶ自分になれてきたようだった。 「おはよう」 挨拶は、エルフの間でも行うらしい。何でも良く食べるし良く寝る。普通の子供と変わらない。ただ、年は普通の子の4倍だった。そのため、小生が教えた物事はことごとく吸収した。エルフなら魔法が使えるが、アニムはまだ習っていないらしく使えないという。人間には魔法は使えないが魔術なら使える。魔術師として稼いでいた小生、半生かけて身につけた魔術の習いをどんどん覚えていった。 「今日は、何をする?」 「魚釣り、教えて」 アニムが今、もっとも興味を持っていることだった。魚を釣るという行為が面白くてたまらいようだ。しかし釣るということが出来ずにいた。いつも、焦って逃がしてしまう。 昼前、いつもの釣り場でアニムと魚釣りする。 「魚が安心してから釣り上げるんだよ」 「安心してから?」 「油断した頃を狙うんだ」 「ふうん」 「見てろ……。ほら」 「あ、大きい」 あまりに大きく、糸が切れてしまった。もちろん魚は逃げる。水しぶきを上げ、奴はすばやく逃げた。 「あーあ」 「うん、奴のほうが運が良かったな」 「俺にも、出来るかな」 「むろん」 アニムが魚を釣り上げるのに、それから時間はかからなかった。釣り上げた魚は焼いて食べた。アニムは、その作業が好きなようだ。
「アニムよう」 バルクが話しかける。暇なのだ。 「なんだ」 「この川、本当に魚がいるんだよな?」 「さあてのう。たぶんな」 あいまいに返してやる。うるさいから。 「腹減った」 「おぬしもやると良い。暇つぶしにはなる」 「・・・・・・俺は魚釣りは嫌いだ」 「根気が足らんのだ」 手ごたえがあった。焦らずにゆっくりと引く。釣り上げた。大物だ。 「ほら、良かったな、おかずが釣れたぞ」 あの時、魚が釣れずイライラしていた。何とか釣りたい。そう思っていた。何日も何回も教えてくれとせがんだ。じいちゃんは根気があった。魚を釣るよりも根気があっただろうと思われる。
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