気まぐれ日記
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2003年09月13日(土) ええと、

 ゆっくりですが、進めていきますね。

 アニムは部屋に戻った。狭い部屋でベッドのみ置いている部屋。トイレなどは共用の安宿。それでも、ほっとした。フードをはいでベッドに投げ捨てる。長いたれた耳が現れる。エルフの特徴の一つだった。
 さて、寝るとするか、と思いベッドにもぞもぞと入っていった。数分もたたないうちに寝息がする。途中何度か目が覚めた。物音で目が覚めるようにできている。
 「バルクがいればゆっくり寝れるのだがのう……」
 彼はぼやいた。バルクは人一倍生きることに関しては強い。彼が高いびきで寝ていれば安心してよいということだった。
 それも今は贅沢なことだとアニムは思い直して眠った。枕下には護身用ナイフがあるが、あまりうまく使えない。
 結局あまり眠れずに朝を迎える。顔を洗ってフードをかぶりなおし下に降りた。昨日のマスターではなくおかみさんが朝食の準備をしていた。
 「おや早いね」
 「まあ。できれば卵料理も欲しいんだが」
 「あいよ。何がいい? なんでもいいよ」
 「では、おかみの自慢の一品を」
 「なんといってもオムレツだね。まってな」
 焼きたてのパンとカフェオレを出し、おかみは奥へ引っ込んだ。
 「そういえば、もう一年になるのう」
 地図を見れば左下に位置する広大な島、メリーレイク島をパンに木苺ジャムをのっけながらぼんやりと思い出す。そのうちジャムがたれてきてあわてて口に入れた。
 「おまたせ。これは自信の一品だよ」
 「おお、これはうまそうだ」
 自家製ケチャップをかけてフォーク片手にアニムはそれを平らげた。
 「おかみ、ここからメリーレイク島へいけるか?」
 「ああ、行くのかい? じゃあ、急いだほうがいいよ。今日出航だからね。ここは乗る人も少ないからその日の受付でも乗れるよ」
 「ありがと、おかみ」
 アニムは急いで朝食を平らげ、宿代を払って宿を出た。そして港へ向かう。


草うららか |MAIL

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