気まぐれ日記
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すごいよ、イズミさん。さすがというべきか。彼女を勧誘するには、一師団全滅覚悟で。あと体お大事に。(笑)
「しかし、お前ほどのウォンテッダーなら魔族も倒し放題だろ」 「あのな、なんでそんな命がけしなきゃならねえんだ?」 マスターの問いにバルクはつまらなそうに答える。鳥のフライをつまみに三杯目のエールを飲んでいた。 「魔族ってのはな、ホントにやばいんだ。あいつらに会うと生きた心地がしねえ。もっとも俺の姪っ子なんかは平気で切りつけるんだがな」 彼の姪にあたるヘネシーは、千年に一度生まれるかどうかの逸材で、魔族を滅する力を持っている。それに、度胸も性格もビアソーイダの男ども顔負けであった。 「俺は、うなもんに会ったことねえからな。まあこんな宿、経営しているから無理ねえけど」 「あいつらには会わんほうがいい。あ、でもな、中にはいい奴もいるからよ。あいつらの世界にもいろいろあるんだよな」 「ふーん」 マスターはつまらなそうに聞いていた。 「おい、もう一杯くれや。あと、イカの燻製も」 「へいへい。もっと面白れー話ねえのか?」 「面白い? たとえば」 「そうだなー。魔王なんかどうだ?」 「アインマルト島のか?」 地図で見れば北のほうにあるその小さな島には魔王がすむと言われている。 「それしかねえだろ。お前行ってきたって言っただろ」 「ああ? ああそうだ。でな、会ったと言ったら信じるか?」 「信じるわけねえだろ? あんなもん。村の奴らはどうだったって聞いてんだよ」 「村の奴らは、もうとりこだな。なんだか魔王は村のためにやってきたって感じで」 「へえ、笑っちまうな」 マスターは喜んだが、バルクはつまらないことを思い出した。あいつはカルストラとか言ったっけなあ。
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