気まぐれ日記
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2003年09月16日(火) 今日のお話

 ですが、前作の最後と同じであります。でも文章まではおんなじではないと。こっちにも都合があるんで。ってただたんに調べるのが面倒なだけです。すんません。

 バルクは宿屋で一息ついた。一年ぶりのメリーレイク島だった。宿屋の食堂で、店主が久しぶりだなと言った。ここにくると一年前を思い出した。ここからあわただしい日々が続いたのだ。そして、ウォンテッダーとして、目的を果たした。
 「一年だったな。どうした?」
 「ああ、最初は忙しかったよ」
 だからと言ってこの店主に、ドラゴンの長に会ってと言っても信じないだろう。妖精主に会ったと言っても信じないだろう。魔王に会ったと言っても信じないだろう。
 そう思うとバルクは少しむなしくなった。
 「まさかお前まで、妖精主にあったなんていわないだろうなあ」
 「はあ?」
 店主が指さすほうに目を走らせると、見慣れた奴がアイスティーをすすっていた。
 「アニム!」
 「よう、バルクか、久しぶりだのう」
 「お前も、ここに?」
 「まあ、やることの半分はまだ終わってないしのう」
 「俺は、剣を返してきたぜ」
 「そうか」
 「お前は?」
 「小生は、故郷を見つけた」
 「へえ、それで」
 「聞くな。あんなとこ知らん」
 「知らんてな……」
 どうやら何か酷い目にあったようだが、バルクは聞かなかった。のちのお楽しみである。
 「ルイはどうしているかのう」
 そう、アニムがつぶやいたとき、宿の扉が開いた。
 「バルク、アニム、助けて」
 「ルイ!」
 アニムとバルクが同時に振り向いた。
 「あたし、いやなの。総統になんかなりたくない。どこでもいい、逃げよう!」
 リュレイミアことルイはそう叫んだ。一種の錯乱状態で、今落ち着ける状態ではなさそうだった。
 「とにかく、ここを離れなきゃ」
 ルイが二人の腕をつかむ。
 「何をする気だ、ルイ」
 「瞬間移動よ」
 「のわっ!」
 三人はその場から消えた。
 「まて、代金……!」
 店主の言葉はむなしく食堂に響いた。



草うららか |MAIL

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