気まぐれ日記
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ですが、前作の最後と同じであります。でも文章まではおんなじではないと。こっちにも都合があるんで。ってただたんに調べるのが面倒なだけです。すんません。
バルクは宿屋で一息ついた。一年ぶりのメリーレイク島だった。宿屋の食堂で、店主が久しぶりだなと言った。ここにくると一年前を思い出した。ここからあわただしい日々が続いたのだ。そして、ウォンテッダーとして、目的を果たした。 「一年だったな。どうした?」 「ああ、最初は忙しかったよ」 だからと言ってこの店主に、ドラゴンの長に会ってと言っても信じないだろう。妖精主に会ったと言っても信じないだろう。魔王に会ったと言っても信じないだろう。 そう思うとバルクは少しむなしくなった。 「まさかお前まで、妖精主にあったなんていわないだろうなあ」 「はあ?」 店主が指さすほうに目を走らせると、見慣れた奴がアイスティーをすすっていた。 「アニム!」 「よう、バルクか、久しぶりだのう」 「お前も、ここに?」 「まあ、やることの半分はまだ終わってないしのう」 「俺は、剣を返してきたぜ」 「そうか」 「お前は?」 「小生は、故郷を見つけた」 「へえ、それで」 「聞くな。あんなとこ知らん」 「知らんてな……」 どうやら何か酷い目にあったようだが、バルクは聞かなかった。のちのお楽しみである。 「ルイはどうしているかのう」 そう、アニムがつぶやいたとき、宿の扉が開いた。 「バルク、アニム、助けて」 「ルイ!」 アニムとバルクが同時に振り向いた。 「あたし、いやなの。総統になんかなりたくない。どこでもいい、逃げよう!」 リュレイミアことルイはそう叫んだ。一種の錯乱状態で、今落ち着ける状態ではなさそうだった。 「とにかく、ここを離れなきゃ」 ルイが二人の腕をつかむ。 「何をする気だ、ルイ」 「瞬間移動よ」 「のわっ!」 三人はその場から消えた。 「まて、代金……!」 店主の言葉はむなしく食堂に響いた。
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