気まぐれ日記
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峠に雪が……。いやな季節になったなあ。
夕食がすんで、食後の紅茶を飲んでいるとき、やけにさっぱりしているアニムをうらやましそうに見た。 「なんだ? ルイ?」 「だって、アニム、もうお風呂入ってきたんでしょ」 「そうだが……」 「早くあたしも入りたい。そんで髪洗いたい」 「まあまあ、小さいながらも温泉だ。気持ちがよかったぞ」 バルクがあきれたようにそれを眺めていた。が、 「俺も入ってくるか」 残っていた酒を飲み干して、浴場に向かった。 「バルクもずるいー」 さて、やっと女湯になり、彼女はいそいそと準備する。 「まって」 カルミアがとめた。夕食時にはさすがに起きていて、今まで黙っていたのだが、彼女も行きたいらしい。 二人は風呂場に向かった。 「あ、思ったより広い」 他の客もいないので、ルイは文字通り羽を広げて入った。 「ちょっと狭いわね」 カルミアが言った時、悲鳴が上がった。 「誰っ!」 「男の方のようね」 窓の外に影のようなものが見えた。 「の、のぞき?」 「そのようね」 「き、きゃあああー!」 ルイが叫んで湯船から出た。 「ちょっと」 カルミアは呆然としたまま、ゆっくりと後を追った。
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