気まぐれ日記
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アニムって、いろいろ意味があったんだなあ、と思わざるを得ないです。フランス語で、「にぎわう」などの意味を持っているそうです。さらに、インドネシアだかの民族にアニム族というのがあるそうです。その他もろもろ、インターネットで検索すると出てきます。ただたんに、語感がよいからつけた名前なんですがねえ。まったく知らなかったです。
「誰も、いないのう」 夜と言うこともあり、ランプのみの光では見つけることが不可能であった。アニムは諦めかけていた。 「そうだな。これじゃあな」 バルクがランプをアニムのほうに照らす。そして、すぐに自分の足元へ光を戻すつもりだった。その時、何かが動いた。 「そこだ!」 バルクが小石を拾って数個投げた。 「ぎゃっ」 悲鳴が聞こえてから、 「なにすんだよ!」 と、それは出てきた。それは、ウサギのような耳を持つ、獣人だった。 「ななっ!」 「獣人かあ?」 「いってーな。石を投げるのが人間の挨拶なんてきいたことねえぞ」 ほとんど人間の青年の姿をしているが、いざとなれば姿は獣と変わるという獣人である。その存在は、エルフ以上に滅多に人間の前では姿を現さないとされる。例外はあるが。 「お前か? のぞき見してたのは?」 「ああ? 人間風呂に入ってのはあの窓から見たけど。でもおれは風呂なんかあるの知らないし、第一人間の女には興味がないからね」 「それは、もっともだ」 「ちょっと待って、じゃあ、なんで悲鳴上げたの?」 ルイも外に出てきて、その獣人の姿を認めるとすぐ聞いた。 「ああ、足踏み外したんだ」 木を指差し、その指を地面に向けた。 「木の上で何やってたの?」 「寝ていた」 「なんで?」 「金はないし、木の上はまだ安全な場所だから」 そこまで聞くとアニムとバルクは、首を振った。 「では、覗きではないんだな。ならよい。お主は木の上でもどこでも寝るがよい」 「あーあ、寝るかー」 「だめなのー?」 「本人は覗く気がない。さらに獣人のばあいはそれで立証されてしまうのだ。だから捕まえたところで、こっちが罰せられる率が高い」 「そんなー」 「ルイ、相手にその気がないのだ。安心して入るがよい」 「いやよ、たとえその気がないとはいえ……」 「わかったよ。わるかったな。場所かえるからさ、ゆっくり寝かせてくれ」 青年の獣人は木のありそうな公園などを探すことにして、宿屋の風呂場付近を去った。
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