気まぐれ日記
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2003年10月16日(木) 大発見!

 アニムって、いろいろ意味があったんだなあ、と思わざるを得ないです。フランス語で、「にぎわう」などの意味を持っているそうです。さらに、インドネシアだかの民族にアニム族というのがあるそうです。その他もろもろ、インターネットで検索すると出てきます。ただたんに、語感がよいからつけた名前なんですがねえ。まったく知らなかったです。

 「誰も、いないのう」
 夜と言うこともあり、ランプのみの光では見つけることが不可能であった。アニムは諦めかけていた。
 「そうだな。これじゃあな」
 バルクがランプをアニムのほうに照らす。そして、すぐに自分の足元へ光を戻すつもりだった。その時、何かが動いた。
 「そこだ!」
 バルクが小石を拾って数個投げた。
 「ぎゃっ」
 悲鳴が聞こえてから、
 「なにすんだよ!」
 と、それは出てきた。それは、ウサギのような耳を持つ、獣人だった。
 「ななっ!」
 「獣人かあ?」
 「いってーな。石を投げるのが人間の挨拶なんてきいたことねえぞ」
 ほとんど人間の青年の姿をしているが、いざとなれば姿は獣と変わるという獣人である。その存在は、エルフ以上に滅多に人間の前では姿を現さないとされる。例外はあるが。
 「お前か? のぞき見してたのは?」
 「ああ? 人間風呂に入ってのはあの窓から見たけど。でもおれは風呂なんかあるの知らないし、第一人間の女には興味がないからね」
 「それは、もっともだ」
 「ちょっと待って、じゃあ、なんで悲鳴上げたの?」
 ルイも外に出てきて、その獣人の姿を認めるとすぐ聞いた。
 「ああ、足踏み外したんだ」
 木を指差し、その指を地面に向けた。
 「木の上で何やってたの?」
 「寝ていた」
 「なんで?」
 「金はないし、木の上はまだ安全な場所だから」
 そこまで聞くとアニムとバルクは、首を振った。
 「では、覗きではないんだな。ならよい。お主は木の上でもどこでも寝るがよい」
 「あーあ、寝るかー」
 「だめなのー?」
 「本人は覗く気がない。さらに獣人のばあいはそれで立証されてしまうのだ。だから捕まえたところで、こっちが罰せられる率が高い」
 「そんなー」
 「ルイ、相手にその気がないのだ。安心して入るがよい」
 「いやよ、たとえその気がないとはいえ……」
 「わかったよ。わるかったな。場所かえるからさ、ゆっくり寝かせてくれ」
 青年の獣人は木のありそうな公園などを探すことにして、宿屋の風呂場付近を去った。


草うららか |MAIL

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