気まぐれ日記
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誤字が多い理由。それはこの書くスペースが小さいから。漢字変換してもわかりにくいんだもん。(たいがいコンタクトレンズとったあとなんで余計見えにくい)
一行が船に乗っているころ、彼らの目的地であるビアソーイダの小さな村にて、一人の男がぼんやりと居座っていた。 宿に泊まるわけではなく、働くということもしない。ただ昼間はぼんやりと外で過ごし、夜は食堂で食事と酒を少し楽しんだ後はふらりと消えて、翌日昼ごろにはまた外でぼんやりと過ごす。この村に宿がないので、何人かの村人が「うちに泊まらないか?」と声を掛けたが、男はやんわりと断った。それが何日も続き、村人はもう気に留めなくなった。今度はその男がいないと変な感じになるらしく、少し時間が遅れて現れると、「あ、今日は遅いね」といわれた。 「待機ってなもんも、やりにくいな」 その男は川岸で大きな石に腰掛けてつぶやいた。金髪で、少しやせた二十代半ばの男である。 「あら、お兄さん。今日はそこにいるの?」 中年の女が声を掛けた。 「まあ、ね」 あくび交じりで返した。 「お兄さんはどこから来たんだい?」 「遠くから」 女は笑って返して、言った。 「甘いものは好きかい? ビスケットを焼いたんだよ」 「いいの?」 「いいともよ、さ、おいで」 中年女性にナンパされる、と心で思いつつ、彼はご馳走になりに行った。しかし、只ではない。子供を三人押し付けられた。 「……ちっ」 腰あたりに群がる子供をにらんで、自分の軽さをうらんだ。 「おじちゃん、おにごっこしよー」 「ちがうよーかくれんぼ!」 「あの、わたし、おままごと……」 二人の兄と妹らしき子が一人。彼は、自分は女の味方だと心に決めているので、すかさず、 「よし、おままごとだな」 と言う。 「えー!」 「つまんねー!」 二人の男の子から文句を言われるがかまわずに、女の子の言うとおり準備を始めた。
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