気まぐれ日記
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2003年11月02日(日) 友人のライヴに行ってきました。

 かっこよかったです。またお誘いしてね。つーか、ここで書いても意味ないよ。

 「魔法使いの?」
 「おうよ、どうせ暇なんだしな」
 「やめといたほうがいいじゃないか?」 
 「じゃあ、レトはここに残ってろ」
 バルクが、ドアを開けた。レトは逃げるように当てられた部屋に入った。アニムはあまり感心しなかったが、好奇心に負けてバルクについていった。 部屋の鍵はかかってなかった。こじんまりとしたシンプルな客室。ベッドとクローゼットがあるだけだった。例の魔法使いとやらはそこに眠っていた。
 「やっぱり棺桶野郎だったか……」
 「棺桶?」
 「こいつ、『妖精主の大陸』のゼムの別荘にある棺桶で眠っていた奴だよ。名前は、確かブロードだ」
 「話がよくわからん」
 と、アニム。
 「お前、寝てたしな」
 「ああ、あの時の話か……。目が覚めたかと思ったら、すぐ別れてしまったからのう」
 「ともかく、起こしても無駄なんだろ? アニム、なんとかならんか?」
 「こやつが何故眠ってしまったのか、原因がわかればよいのだが……」
 アニムは眠るブロードを覗き込んだ。規則的な寝息が聞こえるだけである。
 「どうにもならん」
 「そうか。じゃあ……」
 言いかけて、バルクは止まった。寝息が止まった。かわりに布がすれる音がした。
 「ちくしょっ!」
 起き上がったブロードが突然叫んだ。振り上げた腕がベッドのマットを叩く。
 「あんの馬鹿、早く来ないから逃がしちまったじゃねえか!」
 それからぶつぶつと文句を言い始める。
 「おはようさん、ブロードさんよー」
 バルクが声を掛けた。その声でやっと彼に気づいたブロードがバルクを見た。
 「……おっさん、誰?」
 「忘れたのか? 目覚めに会ったじゃねえか」
 「野郎の顔は覚えねえの。そういや、ルイちゃんは?」
 「ルイのことは覚えてるようだのう」
 「お前のことも覚えてるぜ」
 「小生は寝ていたからお主のことはあまり知らん」
 「あ、そう」
 ブロードがベッドから出る。軽く伸びをして、ふと立ち止まった。
 「ここ、どこだ? あのフレクアっていう子に連れてこられたが……」
 「まだビアソーイダ城だ」
 「ふうん。あんたらはなんでここに」
 「こやつがこれでも王族だからだ」
 アニムの説明にブロードがいささか信じられないという顔をしたが、思い直して言う。
 「まあ、あの国王の親族ならうなづけるか」
 「ああ、そうかそうか。でもよ、なんでポーレンは眠っていたんだ? それと、なんでお前が眠っちまったのかを聞きたいんだが……」
 バルクの問いにブロードが少々考えてから、まあいいや、と言ってベッドに腰掛けて説明を始めた。
 


草うららか |MAIL

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