ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
地獄に堕ちて 蛆虫になれ! っつう キメ台詞。 今まで 見た時代劇の中でも とてつもなく 相手に失礼だと思いつつ、 そんな台詞 大好き♪ 今度 使ってみようかな。
母・みちえ(仮名・自称48才)、 この春 10年間のきままな一人暮らしに別れを告げ、 同棲を始めた。
本人の意思ではない。
父・大魔人(多分63才)が、 ヒモ宣言をして、 40数年ぶりに故郷に帰ったのだ。
この夫婦、いちお夫婦なんだが、 結婚生活35年のうち、 一緒に暮していたのは10年に満たない。
しかも、最後に一緒に暮したのは、 20年前。
旅芸人のように、あちこち居場所を全国区で変えるので、 ついていけないと、父方の実家に身を寄せたのが、 おき 11才の春だったのだ。
年に1度か2度 顔合わせをして 辛うじて ああ、彼の方が ととさまなのだねぇ。 と 認識。
というよりも、 『父帰る』と言うだけで、 戒厳令が布かれ、家の隅々まで片付けをし、 門限は2時間早くなり、午後4時。 ああ、ととさまのことは 忘れないから、 とっとと 帰ってくれ と 薄情なことを思っていたのである。
ボウジャクムジンなこと 比類なく、 人にあわせて生活するなんて、ミジンコほどにも考えない。 年を取った分、少しは丸くなったのだが、 それも角材の面取り程度(幅1ミリ)。
ヒモ宣言をされ、帰ってくると決まった時から、 覚悟をしてたとはいえ、 みちえさんは 深いため息とともに 「あたしの 青春 終ったわ。もう、布を至る所に広げてそのままにしておくことも、好きな時に御飯食べることも 出来ないのねぇ」 と 悲し気に呟いていた。 みちえさんの唯一の趣味は、パッチワークであり、 自宅で 教室を開いている。 「きっと、生徒さんも遠慮して、前の様に楽しくおしゃべりしながらなんて雰囲気は なくなるかもしれないわ」 「おとんだって 反対も邪魔もしないから 問題無いんでない?」 と尋ねると 「だって あの顔ですもん。慣れてる貴女達だって、未だ丁寧語で話してるのに、赤の他人だったら 恐ろしがるわよ」 「あ そっか」 ナットク。
が、あたくしの人生の師でもある 天然ポジティブなみちえさん、 ひとしきり 愚痴った後、 「まぁまぁ」 と 呪文のようなコトバを意味なく唱え、 「いいの♪我慢できなくなったら、津田沼(姉宅)やあなたのうち行くから。泊めてねぇ。たけぞーちゃんに美味しいものを作って食べさせてもらおうかしら♪本当は 金沢(弟宅)にも行きたいんだけど、あのコ(弟)に叱られそうだから 止めとくわ」 と 女学生の様に はしゃいで話す。 「はっはぁ〜。いなくなって おとんを困らせるって算段?」 「まっっさかぁ〜!あの人 ずーっと一人で暮してたんだから、あたしがいなくても ちぃ〜〜〜とも困らないわよ!」 タシカニ イエテル。 「それに 今度は長く家開けても 留守番してくれる人いるから どこにだって いけるしね♪」 ドコニ イクキデスカ? 「まぁまぁ」
昨日 電話を掛けてみると、 (たまには 生存確認される前に告知する) ようやく 引っ越しも一段落して、 (というより、一切口を出さなかったらしい) 正に 隠遁生活を始めているらしい。
が、いきなり蕎麦を食いに出掛け、 出掛ける前に 連絡するから迎えに来いと 言い残し、待てどくらせど 連絡がないので、 迎えに行ってみると、 既に 歩いて帰った後だった とか (それで 楽しみにしていたTV番組を見逃したらしい)
晩酌の最後に燗をつけろ と言うので、 燗を付けたら 「もういらない えへへ〜怒られるか?」と 言いながら 部屋へ戻っていった とか (アア、サケガ モッタイネェ)
食い過ぎた オレは あと10年で死ぬ とか (ナラバ 10ネンゴニ キッチリ シナセマショカ?)
やりたいこと 言いたいことをしまくってるらしい。 はたして それがヒモ宣言をした 正しいオトコのあり方なのか? と 疑問も湧いてくるのだが、 それはほれ、たとえ一緒に暮したことが ふた昔前のコトであっても、 親戚連中には 「あの大魔人には やはり みちえさんでないとねぇ」 と 太鼓判を押されてるので、扱いに何か秘策があるのかもしれん。
「ストレス溜まるでしょ。大丈夫?」と 一応 肉親らしいやさしいコトバを掛けてみると 「まぁまぁ」と また あの呪文を言って 「じゃあね!」と 電話を切った。
まぁまぁ ね。
まぁ ぼちぼち やりなされ。
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