本格的に痛めた喉をかばいながら、レジュメ作りにいそしむ。 頑張れ、後3日の辛抱じゃないかっ!>自分 充血した瞳に写ったのは窓の外の銀世界・・・心が洗われるなぁ。 こんな光景、お山の上(つまり大学周辺)じゃないと見れないってば。
本日の一作: ・『裏庭』(梨木香歩/新潮文庫)
この『裏庭』という作品は、実はずっと読んでみたかった本だったのだ。 梨木香歩という名前を知らない頃から、本屋の片隅でひっそりと。 そして、今読み終わってみて、「ほぉっ」と溜息を吐くばかりである。
私はかつてバーネットの『秘密の花園』について書いたとき、 すべての少女は心の中に「庭」を持っている、と述べた。 この作品も、少女の内なる庭について描いているのだが、 バーネットの庭と比較すると、現代に生きる少女のかかえている 課題の深刻さが強く感じられる。(河合隼雄「解説」より)
さすが河合先生、上手いことをおっしゃる。 この小説はファンタジーでありながら、多感な少女の心の内を反映している。 現在と仮想世界の二重構造であるから、純粋なファンタジー小説よりも ずっと生々しく、痛々しく、且つ懐かしく、そして少しだけ切ない。
「なりたいのは、私しかいない」
自分を望みどおりの姿に変えてくれる服を着ていながら、少女は言った。 彼女は自分は他人のいろいろな部分の寄せ集めのようだと思って生きてきた。 顔のパーツは親戚の一部ずつに似ていて、衣服は従兄弟のお下がりばかり。 そんな彼女が長い冒険の果てに、やっと自分自身であることを求めた。 それを自我の芽生えとでも私達は言うのだろうか。 私達はいつだって自分というものを探り当てるようにして、大人になる。
「真実なんて・・・・・・。真実なんて・・・・・・。一つじゃないんだ。 幾つも幾つもあるんだ。幾つも。幾つも。幾つも。 そんなもの、そんなもの、つきあってなんかいられない」
少女は叫ぶ、現実に向かって・・・私に向かって。 私は彼女の言の中に真実を見つけ、「ほぉっ」と溜息を洩らした。
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