ヤグネットの毎日
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2002年09月10日(火) 真実を身抜く目

田中知事の再選で全国的注目を集めた長野県。その長野の共産党県議団長である石坂千穂さんのホームページがおもしろい。アクセス数のずば抜けた多さにまず驚く。20万件をすでに突破しているのだ。
 毎日更新の日記を読めば、田中県政のこと、魑魅魍魎が跋扈した県議会の様子などが手にとるようにわかる。昨日の日記には、大いに考えさせられた。

http://plaza.rakuten.co.jp/isizakachiho/diaryold/20020909/

 僕は見ていなかったが、8日の朝日系の「サンデープロジェクト」で田中知事の再選に関する石坂さんのインタビューが紹介された。
 「圧勝したことで田中さんが暴走する恐れがあるという意見がある。」「接戦で勝ったほうがよかったという人がいる。」というコメントを紹介して、あたかも田中知事と共産党との「対立」や「不仲」が今後の県政運営での「死角」となっているかのような描き方であった、という。
 
 しかし、石坂さんのサイト日記では、次のように語られる。


お断りしておくが、「・・・田中さんが暴走する恐れがある。」とか、「接戦で勝ったほうがよかった・・・」と言うのは、私の意見ではない。記者が繰り返し、その質問を投げかけるなかで、私は、「不信任の不当さ、理不尽さの決着をつけるためには、圧勝するべきだ。」と主張し続けてきた。サンデー・プロジェクトについて言えば、あの不信任可決の議会が始まる前、議会中、不信任可決後、選挙中、選挙後、かなりの時間を費やして取材に訪れておきながら、そのほとんどの私のコメントは報道されなかった。不信任推進派の県会議員をスタジオまでよんで、その言い分を勝手に述べさせたのに比べれば、まったく差別的な扱いだ。
しかも、昨日報道された私のコメントなるものは、取材の最後の最後に、「でも、圧勝したことで、田中さんが暴走するのではないかという人はいるんじゃないですか。」という質問に対して、私が、「確かに、暴走するんじゃないかという人がいることは事実です。でも、私は、そうは思っていません。」と答えた部分の、「でも・・・」から前の部分だけを意図的に使ったものだ。本来の私の意見の部分を切ってしまう編集に、ある特別の意図を感じないわけにはいかない。このような特別の意図のもとに、手の込んだ編集がされて、それがあたかも真実であるかのように国民に報道される。肝心なことは、知らされない。無責任なマスコミの、残念で悲しい現実だ。


 日本が太平洋戦争へと突入した悲しい歴史のなかで、私たちは、大本営発表などといって、情報が意図的に操作され、それが国民の意識と判断を惑わしたことを忘れてはならない。
 戦後、高度経済成長を支え、のちにバブル経済を「花開かせ」、また日本経済を奈落の底に陥れる過程のなかで、「面白いか、否か」「金もうけになるか、否か」という基準で、マスコミの多くが(すべてとはいわない)国民に情報を与えるという役割を果たしてきたことを忘れてはならない。

 真実を見抜く目を培うこと、マスコミの情報にも批判的な精神を持ち続けることが大切だが、それはひとえに国民の間での、対角線上の情報交換の早さと広さと深さにかかっていると、考える。

 昨日から、9月議会がスタートした。初日の、「議員定数削減を求める請願」をめぐって、本会議上で重要なやりとりがあった。以下、僕のメルマガの最新号から、紹介したい。


◆本会議に議員削減の請願の提案。議員からの質問あいつぐ
 
 この請願は、本会議において上程され、紹介議員による趣旨説明が行われます。紹介議員の野村修三議員が請願趣旨の朗読をして提案に代えました。提案される本会議では、提案者に対して質問ができます。まず、本城隆志議員が手をあげました。

 *本城議員の質問の大要は以下のとおりです。

 「請願の趣旨には、若干名の削減とあるが、紹介議員であれば、何人の削減が適切という目標をもっているはずだがお尋ねしたい。また、削減の理由に経済不況をあげておられるが、バブル経済とその崩壊後すでに13〜14年続いている。現在の26名が多いという人もいれば、少ないという人もいる。議員を削減することで、議会経費がどれくらい削減の効果がでると考えているのか?議員を削らずとも、議員歳費や研修費を削ることも考えられる。なぜ議員の削減なのか?紹介議員の考えを問いたい。」

 これに対して、提案者の野村議員の答弁には、正直いって驚きました。

 「議員の削減は、全国の流れだ。自分は紹介議員であり、付託される議会運営委員会での論議に影響を与えるといけないので、答弁は差し控えたい。」

  答弁は、たったのこれだけです。

 *続いて、吉野鴻議員が質問にたちました。

 「紹介議員であるので、答弁は差し控えたいというが、おかしい。紹介議員となる以上は、ある程度の説明する力をもっておくべきだ。現在の法定議員数からみても、すでに4人少ない状況だ。議員削減は、新人に門戸を閉ざすことになり本市の常任委員会審議の実態をみても、5〜6名で市の重要課題を審議しなければならない状況だ。本市の議会の実態に照らせば、「経済不況」や「行革」を理由に削減するというのは、一般的、抽象的すぎるのではないか。議会運営委員会で具体的審議となるが、紹介議員は具体的に説明すべきである。」

 *ところが、野村議員は、本城議員への答弁と同じく、吉野議員への質問にも「答弁を差し控えたい」のくり返し。

 このとき、本城議員から、「まともに答弁できない議員がいるから、削減しろという請願が市民からあがってくるのではないか!」と鋭いヤジが飛びました。本質をつくヤジではないでしょうか。ちなみに、本城議員のヤジは声もよくとおり、鋭いので定評があります。

 この議員定数の削減の請願は、議会運営委員会に付託されることになりましたが、いつの議会運営委員会で審議されるのかは、未定です。

 本城議員の質問も吉野議員の質問も、私は的を得たものだと思いました。吉野議員が指摘するように、こうした議員定数の話しは、一般論や抽象論で議論すべき問題ではありません。ましてや、ことは住民の参政権にかかる重大問題。徹底した慎重審議が求められます。この問題については、このメルマガでも新しい動きがありしだい、ご報告します。


「議員削減は全国の流れ」という、一般的な情報に踊らされることなく、真実を見抜く目で、わが城陽のまちには、どういう議員が、どれだけ必要なのかを市民にわかりやすく知らせていくことが、いまほど必要なときはない。その役割をこのサイトと日記が少しでも果たせるように、努力したい。



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