エアーポケット DiaryINDEX|過去|未来
今日も寒かった、夜中の休憩中、窓を曇らせている結露が妙に冬を感じさせた。禁止されていることっていうのはなぜか魅力的に感じる。会社は喫煙ルーム以外はすべて禁煙、もちろん僕が見た結露の窓がある廊下も禁煙。時間は午前3時、僕と同様に夜勤勤務者は社内にもたくさんいるだろう。でもここには誰もいない。歩いて5秒で喫煙ルームには辿り着く、この静けさだから廊下の角から足音は充分に聞こえるだろう。逃げ込む時間はある。これは衝動だ。僕はそこで煙草を吸った。別にどこで吸っても味は変わらない。でも衝動と禁じられた場所というのが、どこか魅力的で味を美味くする。見つめるは外の景色ではなく結露、景色はない。封じ込められた空間を解き放つように煙草の煙が結露へ向かう。煙が結露に到達して、なんらかの化学反応を起こして、景色が広がるわけでもない。そもそもそんな化学反応なんてのはないと思う。禁じられた行為。少し魅力的だ。僕は匂いだけを残してそこを立ち去った。
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