Mother (介護日記)
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ホントは今日のことは書きたくない。
『自分が悪い』と認めてしまえばいいことだけど。 だけど、どうしても、割り切れない・・・ やり場のない怒り。 その裏腹に自分に対する情けなさ。愚かさ。
* * * * *
今日は主治医Kのいる木曜日、3週間ぶりの検診であった。 同時に整形外科の予約が8時半に入っていたのを、私はすっかり忘れていた。 私たちは、内科の予約時間の10時にやっと間に合う時間に到着した。
整形外科の担当医は、毎週木曜日はオペなので診察はもう無理だとのことだった。 2週に1度の注射と薬さえもらえれば、それでいい。
手首のガングリオンが痛む絹江を整形にひとり残して、母と私は内科で待った。
今日は何故か空いていて、じきに呼ばれた。
私は主治医に先週の母の様子を話した。
月曜に救急車で運んだこと。 水曜には整形外科で診てもらったこと。
もちろん、主治医の手元のカルテにはその記録が残っている。
私は、肢体不自由(体幹)で再度障害者申請をするための書類を取り出した。 市役所の職員が勧めてくれたものだった。
しかし・・・
『いや、それは無理だよ、ぜんぜん。 だって、今もこうして立って歩いているんだから。 圧迫骨折って痛いのは最初の1週間から10日ぐらいだから、 安静にしていればだんだん良くなりますよ。 だから、そんなすぐに寝たきりになるなんてこともないし。 きっとしりもちでもついたんでしょう。その拍子に圧迫骨折したんでしょうけど。 それも先週のことでしょう? もうだいぶ楽になっているはずですよ。 老人の腰の曲がり、あれがみんな骨粗鬆症、圧迫骨折ですから。 普通は1日、2日入院したりもするんですけどね。 痛くて動けなかったでしょう? それで良かったんですよ。』
はぁ?
治る? 10日で?
え?
ちょっと待ってよ。
救急外来の担当医Yも整形外科の担当医Wも、そんなこと一言も言わなかったじゃん。
だって、『治療レベルじゃない』って。 『介護』だって。
『肺が汚い』って。
『骨がボロボロ』だって。
だから、私、仕事辞めたんですよ?
激痛に苦しみ、起きあがることも寝返りさえもできなくなった母に、うろたえる家族。
『今は辛いかも知れないけれど、この激痛は今だけだからね』と、どうして言ってくれなかったのか。
『1週間もすれば楽になるから』と言ってくれなかったのか。
頭が真っ白になった。
母がすぐにも良くなるというのに、私は素直に喜ぶどころか大きなショックを受けた。
私の退職は、それほど大きな選択だったのに。
なんで? どうして? 納得できない。
「辞めることはないよ、『私の早とちりでした』って言えばいい。」
早とちりだって?
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