Mother (介護日記)
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2002年04月10日(水) 食べたいけど・・・

母は、先月の18日に胸椎の圧迫骨折をしてから急激に食べられなくなった。

「食欲がない」のではなくて、「食べられない」のである。

当初は、激痛のあまりに、食べる気も起こらないのではないかと思っていたが、
その後、痛みが取れてからも食べられないようなのだ。

お風呂上りに体重を測ってみたら51.5Kg。
1ヶ月もしないうちに2.5kg減。



入院前には47Kgだったのが、あれ?と気づいたら頬がプクプクしてきて、
さらには、あごや首や背中まで肉がつき、54kgにもなっていた。

主治医が検診のたびに「腹8分目、いや6分目でもいいですよ」と忠告はするものの、
毎日家にいて特にすることもなければ、食べるぐらいしか楽しみがないのも現実。

人は「そのうちに歩けなくなっちゃうから、歩かせなきゃダメだよ」と言うけど、
3分も歩けば息が切れるようでは、とてもお散歩は無理。
それに、私が仕事に行っている間に一人で出歩くのは危険なので、
食器を洗ったり洗濯物を干したりするのが唯一の運動だった。



今まで通りに食事を作っても残すようになったが、
そうかと言って極端に減らすこともできない。
気持ちは食べたいのだから、それを満たしてあげなくてはと思う。

ダイエットの方法のひとつに、
お茶碗にちょっとだけご飯をよそうよりも、
子供用の小さなお茶碗にいっぱいよそって満足感(満腹感)を得るのだというのを
雑誌で読んだことがある。

おもむろにご飯茶碗を小さくもできないので、
おかずのお皿を今までの白い平凡なものから、
ちょっとおしゃれな絵柄入りのものを使うようにした。
実際、お皿の面積も小さいので少量でもたくさんに見えるし、
白いお皿と違って柄の部分が空白を埋めてくれるという効果もあるように思う。


およその家でご飯を食べることを経験してきた私なんぞは、
みんなと同じ物がひとり分づつ分けられていて(例えば旅館の食事のように)
「これがあなたの分ですよ」と言われれば気兼ねなく食べられるものだけど、
ひとつのお皿にドカンとよそったものをいくつも出されて
「お好きにどうぞ」と言われても、実際はなかなか手が出せないものである。

母はこれまでに3回も私たちとの同居を拒んで出ていった人である。
母なりに遠慮していることがこちらにもうかがえる。

だからこそ、特に食事に関してはこちらが配慮してあげなくてはいけないと思う。
食べられないだろうと思っても、食べたいという気持ちは満たしてあげたい。

外食の時は、私と分け合っていろんな物を少しづつ食べられるようにしているが、
それも、本当ならば一人前づつ注文してあげた方が良いのだろう。
しかしこれもまた「残したらバチが当たる」と言う世代の母なのである。


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