Mother (介護日記)
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先週木曜日の検診の時の薬を、まだ薬局に取りに行っていなかった。
入院でだぶっていた分の薬を飲んでいたから良かったんだけど、 さすがに使い果たしてしまったので、今日は行かないと。
母は相変わらず、背中が痛い、胸(肝臓のあたり)が痛いと言って動きたがらないが、 ここ数日、お天気が悪く家の中にばかりいたので、反応も悪くなっていた。
雨もやっとあがったので、無理やりに連れ出した。
自宅を出てしばらく行った時、母が急に手を振るので何かと思ったら、 バイクですれ違った新聞屋さんだった。
母は目が良い。
新聞屋さんなんて、集金に来てもしばらく顔をあわせていないのに、覚えていたんだ。
やはり外出すると、頭が回転するようだ。
薬局では『ハルシオン』について少し聞いてみた。
「短時間型で、効果は2,3時間のものなので、それほど気になさることはありませんが、 体が弱っている時とか、お年寄りには、それよりもやや長い時間効くかも知れませんね」
2,3時間しか効かないのか・・・それなら、いつもとあまり変わらないじゃん。
「眠れないというのは、ご家族もそうですけど、ご本人も辛いはずですので」
それほど辛そうには見えないのは、昼間、ウトウトしているからなのか。
「昼・夜が逆転してしまうと困りますので」
確かに。
「なかなか寝付けないというのは、興奮状態にあるので」
いや、興奮している感じはないが・・・
「交感神経と副交感神経が・・・」
はぁ・・・よくわからん。
大声をあげるわけでもないし、徘徊でどっかへ行ってしまうわけでもないし。 でも、今回の処方は、そもそも私が「うるさくて寝られない」と言ったからだ。
取り敢えず7日分。
どうしても困ったら使ってみることにしよう。
それにしても、ハルシオンが必要なのは、むしろ私の方だったりして。
そんな会話を、聞いているのかいないのか、静かに車椅子に座っていた母だったが、 帰る時になって、「さようなら」 と言った。
『年寄りはボケても礼儀正しい』 と、どこかに書いてあった。
歩きながら話しかけているのに、再び反応が悪い・・・と思ったら、 補聴器をつけてはいるけど、スイッチが入っていなかった。 今までまったく聞こえていなかったのだ。
音のない世界を不思議に思わないところが不思議だ。
それでいて、道端で「あ、あれ!」 と言って、 少し離れたところに落ちている1円玉を見つけるところが笑える・・・
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