霞む月 深夜の高速道路を 曇り空に霞む月を眺めながら 突っ切っていた 霞む月は僕の視線を独り占めにし 心までをも吸いあげようとする 僕はがむしゃらに心を縛り 月が雲に隠れる度 ため息をもらす やがて雲が晴れ月が煌々と輝き 僕の全身を照らし出せば 僕は力を失い深い闇の中へと 吸い込まれてしまうだろう 月は僕を独り占めにし 青白く冷ややかに微笑む