実家にいた頃、窓際にベッドを置いていた私は 何気なく毎日夜空を見上げては眠りについた。
雨の日は空から落ちてくる大きな雨粒に手をかざし 大好きな雨音を聴きながら眠りについた。
晴れの日は月明かりの中、大きな白い雲が ゆっくりと流れていく。 どこへ行ってもいつも素敵な空が広がっていて ふと気がつくとオレンジ色の夕焼けが バックミラーに映っていたり。
雪が積もった朝はキラキラ輝いている風景を 白い息吐きながら眺めたもんだ。 どんどん降ってくる雪が街灯に照らされると どんなに綺麗で幻想的か知っている? それが当たり前の毎日だった。
1年間、がむしゃらに働いていた。 いつ陽が落ちたのか昇ったのか いつ雨が降り始めたのか 季節はいつ変わったのか 世界がグレーにしか見えなかった。
最近、部屋の電気を消した後 タバコの煙が気になったので ベッドから手を伸ばし窓を開けた。 ふと眼に入ったものは、一個だけ綺麗に光る星。
あー 星だ。 超光ってるな、おい。 UFOかなー?
なんて、そのまま寝転び眺めつづけた。 どこか懐かしい感じがする。
なんだろ、この気持ち。 ...っていうか、やっぱりありゃ星だ。
すげー光ってるな、おい。 いや、待てよ。 本当はUFOかも?
じーっと見つめて見つめて見つめて。。。。 あー わかったー
あの懐かしさ。 ベッドの配置が実家と同じ窓際で 空の見える方向がおんなじだった。
最近、毎日電気を消したあと夜空を見上げている。 一日で一番愛しい時だ。 時間がこのまま止まればいいなぁとまで思ってしまう。
眼を閉じると冷たい風が頬に触れる。 それがまたなんとも気持ち良い。 そして空と一体になっているようなあの感覚 ここでも感じられることにようやく気がつきました。
そして今、グレーだった世界を 夕焼けで眩しい程のオレンジに染めているのを 毎日眺めています。
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