メロディの無い詩集 by MeLONSWiNG
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彼らの後頭部に光る黒いレンチ |
2004年02月20日(金) |
街を歩くたびヤケに目に付く 黒くて大きなレンチ 後頭部に張り付いている まるで接着剤でくっつけたように
カフェーでも地下鉄でも 公園でもオフィスでも 多くの人がくっつけてる まるで当たり前のように
風船を持った女の子が 通りを歩いていて 突然やってきたトラックに轢かれた 振り向く人影 一斉に光るレンチ 黒く黒く光る沢山のレンチ
混雑してる駅前のスーパー スカした女達が集う輸入食品主流店 冷凍ターキーの前で 紺色の服の女が見慣れないビールを落とす
青い目の紳士が 真剣に魚を選ぶ レジスターでアラートが鳴ると アイスボックスの前で光るレンチ
スーパーの中で沢山の後頭部の レンチがまた光り出す 皆、時計を見ながら 不安そうな顔で静かに 物々しい空気が過ぎるのを待っているのさ
彼らの後頭部には 黒い黒い レンチがまた光ってる
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