〓月夜の日記〓(つぶやき版)
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小学校6年生のとき、 とっても仲良くなった子がいた。
Rちゃんとしよう。
小学校の通学路は、あたしと反対方向、 大人っぽいそのRちゃんは
農家の娘さんだった。 だから、おうちは敷地に2軒たってるし
広い庭というか、空き地といったほうがいいかもしれないけど、
うらやましいかぎりで、
よく 遊びに行ったものだ。
大人っぽさは、 お姉さんのせいだな、っていうのもわかった。
高校生のお姉さんがいる。とってもきれいな。
彼氏も かっこよくて、 覗いてみたりしたこともあったっけ。
いちゃいちゃしてた。 はは。 勉強してて。
なんだか、 漫画の世界だなあ・・・・と あたしはそのとき 思ったのだ。
あと、心は明星平凡。。。交際っていうのね、こういうの・・・なんて思った。
(明星、平凡と、りぼんと、週マ 愛読者だったのです)
ある日、
Rちゃんが、お母さんに呼ばれて、 母屋のほうに行った。
あたしはいつものように、遊びに来てて。 おかしとかだしてもらって、
もうひとつの方の 家の、くつろげるところに、呼んでもらってた。
Rちゃんが いなくなって、 ふたりきりだった部屋が、一人きりになって
(広くて いいな〜〜〜・・・・・) なんて
あたりをぼんやり 見つめたりした。
しばらくして、Rちゃんが 帰ってくると、
「これ、なんか デパートで安く売ってたから、2枚買ったんだって。 だから、一枚 あげるよ。 お母さんがそうしなって。」
うぉ?!
「え、いいの??」
それは、 セーラーカラーのTシャツだった。
夏によく似合う、 小さめのセーラーカラーは白で、
Tシャツは、 赤の細いボーダーだった。
「かわいい! おそろい?」 私は聞くと、
「うん!2枚とも一緒だって」
うれしっ。 Rちゃんと仲良しだったし、すごくうれしかった。
「今度、学校に 一緒に 着ていこうよ、ね!」
Rちゃんが言ってくれたので、ますますうれしかった。
それから、ちょっとして、 あたしも母親と一緒に デパートに
行く機会があった。
子供といっても、もうかなり体が大きかったし、身長もあったので
サイズは子供服と大人の中間くらいだった。
その日、ワゴンにはTシャツがいっぱい のっかっていた。
セールみたい・・・
当時って、そういうのが、なんかすごく 新鮮にあたしにはうつって
大人の世界だわ・・・・なんて思ってたんだけど、
ワゴンの中の Tシャツ、 ひっくりかえしてたら、
ちょっと 気に入ったのがあった。
「これ、いいんじゃない? 安いし」 母親も言ってた。
あたしが気に入ったのは、 タオル地で、白地にピンクのパイピング
文字が 胸に入ってて、それも ピンクの濃淡で、なんだかいいかんじ!
(ちょっと ピンクレディみたいでいいじゃん) 心でそう思いつつ
「このまえ、 Rちゃんのお母さんに、Tシャツもらったから、
これ、おそろいで 買ったらだめ?」
母親に 聞くと、「そうだね」 と 同意を得られたので、
2枚買ってもらい、 翌日 たぶん 夏休みだったんだと 思うんだけど
遊びに行ったときに、Rちゃんに渡した。
やった! これで おそろいのTシャツが 2枚になった!!!!!
それからは、 セーラーカラーのほうと、 タオル地のほうと
最初のうちは、 「明日は 赤いほうのTシャツね」などと 言い合い
お揃いを自慢気に 着てたかんじだったんだけど、
だんだん
それぞれ たまに、偶然一緒になるときもあれば、
お互い違ったほうを着ているってかんじで、楽しんだ。
申し合わせて、おそろいを着てこようね、っていったのは
小学校の 卒業アルバムの写真撮影の日。
「おそろいで、映ろうよ」
お互いがそう思っていて。
でも ちゃんと 指定しなかったから、
あたしは タオル地のほう。 Rちゃんは、 赤ボーダーのセーラーカラー
意味ないぢゃンッ!!!
あららら・・・・・
お互い なんだか、顔見合って 笑ったな。
そして、 おそろいだってことは、 アルバムに証拠で残せなかったけど
クラス写真のときは、 隣同士になって、 手を繋いで
それぞれのTシャツで 映ったんだ。
どっちも 見られて よかったかもな。なんて
あとで 思った。
そのRちゃんは、
あたしが転校するっていう うそを 聞いて
泣いてくれた人でした。
(他の友達が、なんだか知らんが、うそついてみようか、などといって Rちゃんに 言いに行ったんだ)
あたしは、びっくりして、うれしくなって
すぐに 「うそだよ、 転校なんてしないよっ」 って言いに行ったら
怒るかと 思ったのに
「ほんと?」っていって 「よかった」 って。
あたしは 謝ったっけなあ。。。
「ごめんね、 だけど 泣いてくれるなんて、うれしかった」
正直に 言って 笑いあった。
大人っぽくてふだん、 あまり笑わないような顔の その子が
泣いてくれるなんて、 すごく仲良しのあたしでも、 びっくりした出来事で
まわりのみんなは、もっとびっくりしたらしく
忘れられない 思い出となっている。
あのTシャツ、
中学になっても、しばらく着てたな〜。
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