〓月夜の日記〓(つぶやき版)
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本気で
人を殺そうかと 思ったことは
1回だけ
父親に対してだった
母親に 怒鳴り散らす 父親を
あたしが、 殺すしか ないのかな・・・・もう・・・・と
すごく 冷静に思っていた。
あたしが殺せば、 もう 母親も 苦しまないですむ
それぞれの生活を すればいい・・・
そんなふうに、 台所の流しのところにいる父親を
ただ ぼけっと、 自分の部屋から見ながら
19歳だから なんとかなるだろうと 思っていた。
そのときの 父親の姿を 今でも思い出す。
上に 白い 肌着をきて、 スポーツ刈りで
横顔だ。 右がわを向いている。
ちょっと うつむき加減で、 何かを探してるんだか・・・・
何かを見てる様子で。
あたしが こんなふうに 思いながら 見ていることなんか
まるっきり わかってないんだろうな・・・・って。
そんなふうに 思ってしまう自分を
ふっと我に返ったとき 悟ったんだった。
「こんなところにいたら、だめになる」
分かるのが、遅かったのかな。
自分の中に なんでもしまい込んでた。
友達と会うときは、笑ってた。 いつも。
人にどう見られるかってことを、 意識してたみたい。
家の中では、 全然話さなかった。
若いときになんて、 全然戻りたくないな。
今のままの 精神で 戻れるならば、って思うけれど
それは、外見だったり、 友達や恋人と会っている時間だったり、
だけど、それ以外は だめなことばかり。
暗い気分
重い・・・・
だから、人と伸び伸び 付き合うことを 知らなかったんだ。
親友にだって、 やっぱり言えないことはある。
付き合っていた人にだって。
20歳を過ぎて、一人暮らししてから、
怯えながらだけど、夜を過ごして・・・・
その頃付き合いはじめた人にだけ、 やっと言えたんだ。
「お父さんを 殺そうと思ったことがある」と。
解放された 気がした。
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