〓月夜の日記〓(つぶやき版)
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うちの 母親は 元バスガイドだ。
昔の 神奈川中央交通の バスガイド。
知ったのは、 写真が残っていたからだ。
モノクロ写真 若い母親
斜めにぶらさげた、 皮の小さいカバン。
タイトスカートに 白いブラウス。
頭には 小さい 帽子をちょこんと とめている。
うちの母親は 歌が上手く、 器用でなんでもできる。
ソフトボールをやっていたと 言った。
バイクも免許も 年取ってからとったのに、一発だったね。あの人。
ちょっと うらやましいんだけどさ。 そういうとこは。
バスガイドってやっぱり、 なんか ちょっと いいよね。
紹介するときとかさ、 昔のことを 語るとき。
なんかね、その モノクロの写真が、 とてもよかったんだ。
女優さんみたいに、 ちょっと足を斜めにだしてさ
胸張って 天を仰いでるといったかんじで。
いい笑顔だったように 思う。 もう十何年も 見ていないけれどね。
今でも、 神奈中の バスセンターとかには、
回数券とか、カードとか 売ってる人が座ってるけれど
あたしは 滅多に行かない場所なんかに行くとき、
料金表が見えない場合、 その人たちのとこに行って、
1回分の 券にしてもらう。
バス停の名前を言うと、 即座に値段を言ってくれるんで、助かるんだ。
プロだなあと思う。
一枚の 紙切れになった バス料金を ポケットに入れて
安心して バスに乗るんだ。 そういうときは。
滅多に乗らないから、 不慣れになってしまったんだよねえ。
今じゃあ、カードで お金払えるんだもんね。 ピピッと設定したりして
二人分とかも できるんだもんね。 すげええよ。
でもさ、 ふつうの路線にも、ガイドさんがいたってのが、
なんか・・・・ いいよね。
その一人が うちの母親だったんだなあ。
(けっこう 自慢気。 めずらしく。
家族で自慢できるのは それだけ)
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