私の悩みや愚痴を聞いて怒ったり 涙を流してくれる他人がどれだけいるだろう年老いたあなたも その一人です私の手をしわだらけの両手で包みこんで 無理しないでね 身体に気をつけてねと涙を滲ませながら言う思わず私は おかあさんこそ大事にしてねとその小さな身体を抱きしめる木枯らしの吹く中 振り返るとまだ 私を見送っている空気が春のように温かくなった