夏休み前、草むらを ちょんちょんと跳ねてた 「芝生の切れっ端」みたいな、バッタの赤ちゃん。
再会したんだ。 私の自転車の前カゴに乗っていた。 もう 身長5〜6センチになって、立派なトゲトゲ足。
子なすに持たせた。「しょうりょうバッタの女の子」だよ、 一緒に、お使い 行こうよ。
「えぇぇぇ・・・ままー、ねぇねぇ・・うごいてる・・」 そりゃそうだよ。生きてるんだから。 連れてけない? じゃ、カゴに入れて行こうか。きっと楽しいよ。
バッタは風を受け、オタオタしながらもくっついてる。 なかなか面白い。 折々 子なすに見せながらお使いを済ませた。 まだ、くっついてる。
「おうちに 連れてく?」と子なす。ふふ。愛着湧いたのか?
そうだなぁ・・
じゃ、バッタのおうち(草むら) に 送っていこうか。
☆
草刈りの済んだばかりの、緑の匂い立ちこめる場所に着いた。 さぁて どこで放そうかとおもった矢先、
ぴょおーーーーんっっっ
と、自転車のカゴを力強く蹴り、ババババッッと羽ばたき、 バッタは飛んで行った。
すごい! すごい! さっきまでの、オドオドしていたバッタとは違うぞ。 びょんびょん跳ねて もう、遠くへ。
すごいねぇ。 匂いで、お家が分かったんだ! !
☆
自分の得意な場所では、こんなにも伸びやかに飛翔するんだね。
子なすが、今 それなりに得意げに過ごすのは 私の目の届く範囲だけ。そして私の視線を必要としてくれてる。 いつしか私の知らない、見えない場所へもテリトリーを広げるのだろう。 私の全く知らない世界で 羽を広げて優々と飛び回るのは いつなんだろう。
私の監視するような視線を振り切って もっともっと遠くへ行きたいと思う、そんな時が来るのだろう。
ママはいつまでも原っぱでありたい、んだがなぁ。
そんな事を思ったんでした。
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